投稿者 基地外には者 日時 2001 年 8 月 25 日 03:34:25:
神奈川県警は24日、7年前に小田原署が警察官3人の少女買春事件をもみ消していたことを明らかにした。県警は、当時の署長、副署長に事件化しないことを進言し、警察官の調書などを小田原署から持ち出したとして、当時の防犯課長(現伊勢原署生活安全課長)の増田忠雄警部(58)を犯人隠避や証拠隠滅などの疑いで書類送検し、停職1カ月の懲戒処分にした。犯人隠避は時効が成立している。小林昭夫・元署長(63)、富沢軍次・元副署長(63)も犯人隠避容疑で書類送検したが、すでに退職しており、処分はされなかった。
調べでは、増田警部は、小田原署の防犯課長だった94年8月、当時中学3年だった少女の売春事件の捜査で、客に県警の現職警察官3人がいることを知った。しかし、署長、副署長に「少女は3人のことを警察官だとは知らない。調書はつくるが、表面化しない限り、立件は見合わせる」と伝え、署長、副署長もこれを了解した疑い。
売春事件では、情報が漏れないように増田警部だけが警察官3人の調べを担当した。取り調べ中、増田警部は脳疾患で倒れて約2カ月半入院、退院後も警察官に対する捜査を再開しなかった。また、97年3月、伊勢原署に異動する際、作成中の調書などを小田原署から持ち出し、異動先の自分のロッカーに保管しており、これが証拠隠滅容疑となった。
今年1月、増田容疑者が「小田原署で上司に事件をつぶされた」と、伊勢原署長に手紙を送り、事件が発覚した。県警の不祥事防止対策の一環で、伊勢原署長が「悩みがあれば何でも言ってほしい」と署員に呼びかけていたため、それにこたえたという。
調べに対し増田警部は「立件すれば、県警に与えるダメージが大きい。警察官3人も職を失うことになり、何とか救ってやりたいと思った」と供述しているという。
買春事件にかかわった3人の警官は茅ケ崎署地域課のA巡査長(51)、大和署地域課のB巡査部長(44)、C巡査部長(51)。事件当時、A巡査長は秦野署、B、C両巡査部長は厚木署の地域課に所属しており、県警は今年4月12日付で減給100分の10(6カ月)の処分にした。
調べでは、A巡査長は93年9月から94年1月までに3回、テレホンクラブで知り合った少女と、神奈川県真鶴町のホテルで現金2万円を払って、みだらな行為をし、さらにこの少女をかつての同僚のB巡査部長に紹介した疑い。B巡査部長は93年12月から94年1月までに2回、C巡査部長は94年1月ごろに1回、この少女とそれぞれ2万円でみだらな行為をした疑い。
少女の事件では、判明した客9人のうち警察官3人を除く6人は青少年保護育成条例違反容疑などで逮捕や書類送検されて、処罰された。警察官3人はすでに時効が成立している。
3人は減給処分の翌日、依願退職した。
増田警部も退職願を提出しており、県警は25日付で受理する。
金高雅仁・警務部長は記者会見で「7年以上前のこととはいえ、警察官3人がこのような犯罪を犯し、これを捜査すべき幹部が事件を隠ぺいしていたことは誠に遺憾であり、深くおわび申し上げます」と頭を下げた。(21:42)