投稿者 asahi 日時 2001 年 8 月 21 日 10:33:18:
米艦寄港の反対運動情報、警察が米に詳細報告
京都府舞鶴港に99年8月、米海軍の駆逐艦が寄港した際、現地の警察署が、政党や
労働組合の入港反対活動の具体的な内容を米側へ通報していたことを示す文書の存在
が、米政府が公開した資料でわかった。警察が提供したとされる「リスト」には、反対
集会の主催者や時間、参加人数などが詳細に記されており、「公務員の守秘義務違反の
疑いもあるのでは」との見方もある。反対運動の関係者は「警察の得た情報がなぜ米側
へ筒抜けになるのか」と批判している。
寄港したのは第7艦隊所属の駆逐艦クッシング(満載排水量9250トン、乗員33
9人)。「乗員の休養と補給」を目的として、99年8月2日〜6日、舞鶴港に寄港し
た。米情報公開法に基づく朝日新聞記者の請求に対し、寄港中の8月5日、在大阪・神
戸米国総領事館が米国務長官や在日米海軍司令部(神奈川県横須賀市)などへあてた入
港に関する報告書1通が公開された。
表題は「ガイドライン後初の寄港・舞鶴」。「舞鶴東署は抗議者と反対運動のリスト
を事後に我々に提供した。以下の通り」とあり、「8月1日午後2時4分から50分ま
で、日本共産党が集会。250人が参加、うち230人がデモ行進」「8月2日、舞鶴
市と京都府の職員組合50人がメガホンでクッシングにスローガンを叫んだ」などと、
入港前日と当日に現地で反対運動をした5つの政党や組合、学生らの行動が記されてい
る。
また「今回の寄港は新ガイドラインが成立して最初の日本政府と米海軍の協力行動
で、象徴的に重要な意味がある」「警察によれば抗議者のほとんどは京都や大阪から来
た。地元市民はほとんど関心がない」などとの記述もある。報告書の送付先は米国大使
館(東京)や在日米軍司令部(同)、太平洋艦隊司令部(ハワイ)、統合参謀本部(ワ
シントン)など17カ所で、諜報(ちょうほう)活動や暗号活動に従事しているとされ
る米陸軍第500軍事諜報旅団(広島県)も含まれていた。
この寄港直前の99年5月、米軍への民間空港、港湾の提供や自治体、民間協力を盛
り込んだ周辺事態法を柱とするガイドライン関連法が成立。クッシングの寄港に対し、
労働組合などは「有事の際に舞鶴港を軍事利用するための地ならし」などとして反対し
ていた。
◇
<外岡泰行・京都府警警備部長の話> 国と国との問題であり、一警察署が直接報告
するとは考えにくい。事実関係を早急に調べているところであり、ことの是非は答えら
れない。(06:21)