投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 8 月 15 日 17:56:42:
共同
08/15 15:39 独裁体制を脅かさず インターネットで米財団 外信49
「世界の一党独裁政権はインターネット時代の衝撃の統制に成功
している」―。米シンクタンク、カーネギー財団がこのほど、イン
ターネットを通じ、情報をだれもが手に入れられることで一党独裁
体制を脅かすという通説に疑問を投げかける論文を発表した。
「独裁体制下のインターネットと国家統制」と題する論文は、中
国とキューバ二カ国の現状を分析しながら、一党独裁政権が、規制
策と積極利用策を組み合わせる戦略で、ネット普及がもたらす政治
的影響を切り抜けているとしている。
論文によると、中国のインターネット人口は中国当局発表で昨年
末現在、二千二百五十万人。二○○四年には、日本を上回るとの予
測がある。
こうしたネットブームに対して、中国政府はウェブサイトに接続
できなくしたり、コンテンツを監視したりするほか、狙い撃ちの逮
捕や摘発を続けている。チャットルームも政府に批判的な発言が削
除される。
キューバは今年三月現在で電子メール利用者が人口のわずか0・
5%の六万人。家庭からのインターネットへのアクセスを禁止し、
外国のサイトを見るには事前許可を求めるなど厳しい制限を設けて
いる。
一方で、両国とも、インターネットを国家の宣伝媒体と位置づけ
、政府や国営メディアがホームページを開設するなど積極的に利用
している。
両国の違いは、中国が法的、技術的、社会的手段でアクセスを制
限しながらも、キューバと異なりネット普及を奨励している点。両
国の経済開放度の違いによるものと論文は分析する。
論文は、独裁主義政権が情報技術の管理に成功してきた歴史をイ
ンターネットにも適用しているとして、中短期的にはこの統制戦略
は効果を持つだろう、と結んでいる。(共同)
(了) 010815 1539
[2001-08-15-15:39]