投稿者 sankei 日時 2001 年 7 月 24 日 15:04:54:
人類初の原爆実験写真
米国立公文書館で発掘 邦人研究家写真集に
1945年7月16日、米ニューメキシコ州の砂漠で行われた世界最初の原爆実験
上、1954年2月28日のビキニ環礁実験で、マグロ漁船第五福竜丸など日本の船舶を被ばくさせた水爆のキノコ雲下(ともに米国立公文書館提供)
広島・長崎への投下直前に米国が行った世界初の原爆実験の様子
や、これまで大半が未公開だった米国の水爆実験の記録など、歴史上
貴重なカラー写真を多数掲載した写真集が二十五日、発売される。
『カラー写真で見る「原爆」秘録』(発行・KKベストセラーズ)と
題した写真集を出すのは戦史研究家、原勝洋さん(五九)。
今回掲載の写真は二百五十枚。うち九割を原さんが米ワシントン郊
外の国立公文書館で一カ月かけて集め、まとめた。
中でも原さんが「日本で初公開のはず」とするのは、米国が一九四
五年七月十六日にニューメキシコ州の砂漠で行った世界最初の原爆実
験(暗号名トリニティ)のカラー写真。第五福竜丸など日本の船舶が被
ばくしたビキニ環礁の水爆実験(五四年二月)写真も掲載されている。
このほか、四六年七月のビキニ環礁実験(原爆)では、敗戦後旧日本
海軍から接収した、撃沈用の標的艦として沈んでゆく軽巡洋艦「酒
匂」や戦艦「長門」が捕らえられている珍しい写真も多数含まれてい
る。
米国ではエネルギー省(DOE)が九八年、それまで機密扱いとして
きた過去の核実験映像を一部公表に踏み切るなど、冷戦終結後に核関
連情報の公開が始まっている。原さんもこうした措置を受けて、写真
集編さんに着手した。
原さんはこれまでも、長崎投下直後にさく裂する原爆の瞬間写真を
載せた『カラー写真で見る太平洋戦争秘録』(発行・同)や、旧日本海
軍戦艦「大和」に関する『戦艦大和建造秘録』(同)など、第二次世界
大戦関連の本を多数発表している。
原さんは「写真集を作るのは『歴史とは何か』という事実直視の姿
勢を重視したいからだ。原爆忌が近づくと悲惨さや反戦といった言葉
だけで核を語る人がいるが、本当に脅威を理解したいならそれだけで
はないはず。ビジュアルで歴史を扱うことで、若い人の関心も喚起し
たかった」という。