投稿者 YM 日時 2001 年 6 月 26 日 01:07:32:
回答先: 『小泉内闇メールマガジン』第13号でました 投稿者 佐藤雅彦 日時 2001 年 6 月 25 日 06:16:10:
http://www.weeklypost.com/jp/010706jp/index.htm
週刊ポスト2001/7/6
“「あの絶叫はヒトラーを彷彿させる」
日本の新聞・テレビは「小泉」の走拘か”
◆桂敬一・東京情報大学教授(マスメディア産業論)
「小泉政権の打ち出す内容──実際には何も打ち出していないのが実態だ
が──に対してマスコミは、徹底的に議論して報じるべきだ。なのに迎合
してしまって、無批判に小泉政権を支援しているかのような対応がうかが
える。例えば党首討論。野党党首が質問している間も、テレビは質問を受
ける小泉首相や田中外相の顔を映している。これではまったくフェアでは
ない。アイドルなどを報じるワイドショーの手法をそのまま使っている。
マスコミ全体が小泉応援団になっている。
メールマガジンも問題がある。
第1。政府というのは万能な存在ではない。特に争点となっている問題に
ついては、慎重であるべきだ。政府の力を使って、政府側の方針、考え方
を国民にPRするようなことがあってはならない。PRするなら、すでに
官邸のホームページがあり、それを使えばいい。しかし、それに上乗せす
る形でメールマガジンを発行し、1億円もの税金を使い、多くのスタッフ
を投入している。一部の識者は、メールは双方向メディアだから問題はな
いというようなことをいうが、果たしてそうか。政府の強い力、資金力を
使って、政府側の一方的な言い分を国民に伝えることが果たして正当なこ
とといえるのかどうか。
第2。メルマガが首相や閣僚の個人PRになっているという点。メルマガ
では、『らいおんはーと』とか『塩爺』などと、アイドル路線で首相、閣
僚を露出している。内閣の方針を訴えるだけでなく、首相の個人的な問題
を取り上げることで、国民は政策とは別の部分で首相に対する親近感を増
してしまう。
第3。現時点でホームページやメールによる選挙活動は文書図画違反とさ
れている。その辺については今後、改めて研究して対応することを政府は
明らかにしているが、制度整備もないままに、政府は一方的にメルマガを
出しており、ネットメディアの政治活動、選挙活動については、参院選後
にならないと検討すらしないという。
結局、全部与党だけに有利になっているに等しい。こういう状況をマスコ
ミは一切議論なく批判も加えず、それどころかメルマガの存在をPRし
て、内閣に協力している。このようなマスコミの現状では、今度の参院選
はとんでもない選挙になる可能性も出てくる」
◆平井正・元立教大学文学部教授(ドイツ文学)
「小泉政権ができてすぐに私は、『これはワイマール末期のナチの時代に
似ている。小泉首相のスタイルはヒトラーと類似点がある』と感じまし
た。類似点として指摘できるのは、当時の世相状況と、小泉首相が国民に
アピールするときのスタイルです。
当時のドイツは閉塞状況に置かれていました。第1次大戦に負け、厳しい
戦後補償負担を抱えて経済状況も悪い。ベルリンでは前衛的な芸術、文化
で活気づいていましたが、それらはユダヤ人が米国から輸入してうちたて
た文化だった。それをナチは『アスファルト文化』と名づけ、民族主義を
毒するとしてドイツ国民に訴えた。
日本でもバブル崩壊で不景気が続き、その解消も遅々として進まず、世界
各国が活況の中、取り残されたような状況にある。そうした閉塞状況の
中、小泉首相は『構造改革』を打ち出して国民の支持を受けている。
スタイルの類似点の第1は、演説にある。ヒトラーは非常にカリスマ性を
感じさせる絶叫調の、情緒に訴える演説です。小泉首相も絶叫調の演説を
する。その点が、カリスマ性を感じさせ、何よりも国民の情緒に訴えかけ
ている。ヒトラーが『ドイツよ、目覚めよ!』というのを、小泉首相は
『構造改革!』といっているような形になっている。
ナチと小泉首相には、メディアの使い方にも類似点がある。ナチは当時、
大衆メディアとしてできたばかりのラジオと、映画を使った。大都市メ
ディアである映画は、ベルリンなど都市部への進出に役立った。その点で
は小泉首相も、今回、メールマガジンという新メディアを使っている。こ
れが非常に国民に受けている。ネットを通じた群衆──これを私は『群
集』と名づけていますが、この群集というものがインターネットの普及で
生まれた。ナチは群衆をつかまえることで強い国民の支持を得たが、小泉
首相は、群衆が進化した群集をつかまえて、国民の支持を得ているのかも
しれない」