投稿者 gaattc 日時 2001 年 6 月 23 日 16:30:56:
トルコの憲法裁判所は22日、親イスラムの最大野党、美徳党の解党を命じる判決を言い渡した。また、議員2人の議員資格をはく奪した。トルコが正式加盟を目指す欧州連合(EU)は今回の判決を「民主化の試金石」と見ていただけに、EU入りに新たな障害が加わったことになる。
最高検察庁は、美徳党議員の3分の2以上が98年に解党命令を受けた福祉党に所属していたことなどから事実上の「後継政党」にあたる、として訴追していた。国是である「世俗主義」の守護者を自任する軍に同調したものだ。判決は「後継政党」との訴えは退けたものの、美徳党が世俗体制を脅かすと認めた。
トルコが99年末にEUの加盟候補国入りを果たしたのをきっかけに、エジェビット首相率いる連立与党からも政党の自由を拡大する方向で法改正を求める声が高まっていた。
美徳党は議員定数の2割弱にあたる102議席を持つ第3党。もっとも強い草の根組織を武器に、信仰心のあつい貧困層を中心に支持を広げてきた。
判決を受け美徳党は分裂の動きを加速すると見られている。同党の若手に影響力を持つ前イスタンブール市長のエルドアン氏を中心とする改革派は、福祉党の党首だったエルバカン元首相や美徳党のクタン党首が率いる保守派から離れて新党を結成するとの見方が出ている。(00:38)