投稿者 踊る藁人形 日時 2001 年 6 月 16 日 23:21:13:
石炭業界など15社・14人が研究会
石炭層に経済的で安定的に二酸化炭素(CO2)を固定化する技術の事業家を目指し、三菱マテリアル、三井鉱山、電源開発、関西電力、三菱重工業、三井造船、石炭エネルギーセンターなど15社と個人会員14人が共同で「CO2炭層固定研究会」を発足した。日本国内で1000メートル以上の地下にある石炭層にCO2を投入して炭層にあるメタンガスを地上に追い出して燃焼利用、CO2は炭層で固定化する。この「CO2固定−メタンガス置換回収メカニズム」を実現することで、国内に膨大に賦存する石炭層を掘り出さずにエネルギーを利用する道が開けるものと期待される。/td> |
メタンガス置換で実現
CO2を地中に固定化する技術としては石油・ガス田や帯水に貯留する工法が研究されているが、石炭層へ固定化する技術は、固定化をメタンガスとの置換によって実現しようとするもの。日本国内には、休止・廃止した炭鉱周辺にまだ膨大な量の石炭層があり、炭層中にCO2を100億トン規模で固定する可能性を持っている。
同研究会はこの石炭層へ二酸化炭素を投入して、メタンを石炭層から脱離(追い出し)、CO2を炭層に吸収させて固定化する研究を行う。会長には京都大学の芦田譲享受が就任した。CO2とメタンの置換反応比率は2対1の割合となる。同研究会はまだ炭層へのCO2固定のメカニズムがはっきりしないことから、この置換反応を明確に解明させる。
火力発電所などから発生するCO2は、三菱重工と関電が開発した吸収液を使って純度99・9%のCO2を90%前後で回収できる技術をすでに肥料プラントで実用化している。これらの技術を使って地上にある火力発電設備などから回収したCO2を炭層へ投入する。研究会はフェーズTとしてCO2と炭層メタンガスの置換メカニズム解明への基礎研究、フェーズUで実証試験、フェーズVでサイト選定に向けた炭層中のCO2固定ポテンシャルとメタンガス回収ポテンシャル評価手法の開発などを行う。
また現在フェースV段階にあり、2003年には本格的な開発が行われるカナダ・アルバータ州のプロジェクトなどとも情報交換を進め、海外事業へも参加していく。国内では北海道での未採炭炭田での実用化が期待されており、CO2固定化での排出権取引が具体化すれば、この取引費用で炭層へのボーリングを賄うことも可能になる。
[図(略):CO2固定−メタン置換回収システム(炭鉱の上にメタン火力発電所が描かれ、取り出したメタンで発電した排気CO2を連続的に炭鉱に”捨てる”様子。)]
[日刊工業新聞6/13]
★もしや何かありそうだぞ?…ということで、掲載しました。