投稿者 yomiuri 日時 2001 年 6 月 16 日 20:25:08:
投資に見合う成果のない宇宙開発は中止と指針案
宇宙開発事業団が行うロケット開発や国際宇宙ステーション建設などの大規模事業について、文部科学省の宇宙開発委員会は、「投資に見合う成果が期待されなくなったプロジェクトは、それまでに使った研究費がどんなに多額であっても中止する」との指針案をまとめ、15日公表した。厳しい財政状況の中、限られた予算で高水準の技術開発を進めるには、成果の見通しとコストを冷静に見極め、思い切った判断をする必要があるとした。国民から意見を1か月間募り、それを反映させたうえで来月正式決定する。
指針案は、同事業団の研究開発について、実施すべきか中止すべきかを決める「評価」の基準や手続きを示したもの。プロジェクトの開始前だけでなく、新たな段階へ進む節目にも、同委員会が評価を行い、「国全体の宇宙開発の方針に沿っているか」「費用に見合う成果を期待できるか」「計画に無理や無駄がないか」などをチェックする。その結果次第では、文部科学相が計画の大幅変更や中止を同事業団に指示する。
「以後のコストと成果の見通しにより厳格に判断する」としており、それまでに費やした予算額に評価が左右されないよう、クギを差した。様々な大型衛星や日本版スペースシャトルの開発、国際宇宙ステーションなどの有人活動など、予算が200億円を超える大規模プロジェクトが、評価の対象となる見込み。