投稿者 asahi 日時 2001 年 6 月 15 日 20:01:40:
朝鮮半島と中東想定した二正面戦略を米が見直す可能性
米国防総省高官は14日、世界で同時に発生する2つの大規模紛争に対処する「二正
面戦略」の見直しを進めていることを認めた。朝鮮半島と中東を想定したこの基本戦略
を変える可能性を国防総省高官が公に確認したのは初めて。新しい軍事戦略を踏まえた
「4年ごとの国防計画見直し(QDR)」の作業もピッチを速め、7月末までに概要を
固める見通しとなった。
ラムズフェルド国防長官は統合参謀本部議長ら幹部と集中協議。21世紀の米軍の戦
略、規模、配置などを決めるQDRの作業については、法律に基づく9月末の期限を待
たずにまとめることを決めた。
高官は、冷戦後一貫して米政策の柱だった二正面戦略は「間違いなくテーブルに載せ
られた中心議題の一つだ」と表明。ただし「放棄するかどうか、どんな代替策をとるか
は決めていない」と語り、まだ結論は出ていないことを強調した。
高官は、米国はこれまで、朝鮮半島と中東での作戦計画という「単一の次元で危険を
測る傾向があった」と述べたうえで、バルカン半島への部隊派遣など旧来の「戦争」や
「勝敗」の概念には収まらない軍事行動も増えたと強調。今後は「あらかじめ想定でき
ない事態の広範な危険に備える」と指摘、コンピューターに侵入するサイバー戦争にも
取り組む方針を示した。
また、これまでの国防総省内の論議で確認された米軍の役割として、(1)友好・同
盟国の安全を守る(2)将来の敵対行動を思いとどまらせる(3)現存する脅威の抑止
と、強制への対抗(4)抑止が失敗した場合の勝利――を挙げた。(18:57