投稿者 毎日新聞 日時 2001 年 6 月 12 日 16:51:01:
回答先: ■■これでもか、外務省の犯罪▲▲ 投稿者 真紀子ガンバレ! 日時 2001 年 6 月 12 日 16:41:00:
公金流用:元駐キューバ大使の不正を外務省が隠す
91年に駐キューバ大使を最後に退職した日本の外交官(96年死去)が、
同大使在任中に大使館の公金を私的流用し、外務省は不正を把握していたにも
かかわらず、流用の一部を弁済させるだけで退職を認めていたことが12日
わかった。流用の総額は約3000万円とされるが、弁済した額は約1割に
とどまるという。
外務省はこの事実を公表せず隠していた。
この外交官は87年に59歳でキューバ大使に着任した。大使職に定年はないが、
60代で退職するのが一般的だ。関係者によると、大使(当時)は退職後にキューバで
レストラン経営することを計画。キューバ政府関係者と交渉し、首都ハバナ市内に
レストラン用邸宅を割安で購入するめどをつけた。
大使は、家具類や冷蔵庫などの電化製品を欧州の業者などを通じ購入。レストラン
開業のため邸宅に運び込んでいたが、大使公邸用の備品として購入したことにして、
事実上の経理操作をしていた。外務省関係者は「大使公邸にあるべきもの(備品)が
なくなっていた」と説明している。館員の名前を悪用したカラ出張を指摘する元外交官
もいる。
外務省は大使の公金流用疑惑を90年に察知。新たにキューバに赴任させた職員に
会計調査を命じたほか、中南米局幹部を現地調査に派遣した。大使と大使館員らへの
事情聴取の結果、大使の不正を確認。大使は邸宅購入とキューバでのレストラン経営
を断念し、91年4月に外務省を退職した。
不正流用額は約3000万円とされるが、「それ以上あるのでは」と指摘する関係者
もある。大使が約300万円だけを弁済することで、外務省は問題を決着させたとされる。
弁済金は大使が退職後に暮らしたカナダ国内の銀行に置かれていたというが、どのように
会計処理されたか不明。また、大使が購入し、邸宅に運び込んだ物品の行方も不明だ。
複数の関係者の証言によると、外務省は一部職員を国家公務員法に基づかない注意
処分などにし、本人に書面で通知したという。当時の同省官房長(既に退職)は「問題が
あったのは事実だが、組織としてきちんと対応した」と述べ、外務省報道課は「(不正に
ついて)調べたが記録が残っておらず、分からない。処分をしたという記録もなかった」
としている。
◇ ◇
日本の駐キューバ大使が公金約3000万円を不正に流用していた問題について、
「大使館なんかいらない」の著書がある元外務省医務官の作家、久家義之さんは「今回の
問題も氷山の一角」と指摘している。
久家さんは88年に医務官として同省に入省。サウジアラビアやオーストリアなどの
大使館に勤務したが、「似たような話はよく聞いた。大使クラスになると、会計に圧力を
かけて多額の個人的支出を公費で落として流用できる」と指摘する。
大使館員が領収書を偽造して公金着服した話があり、同僚がそれを問題にしようとしたが
「抑え込まれた」という。
久家さんは「外務省は世間の批判を恐れていつも内々に処分していた。個人のモラルも
問題だが、そのような誘惑を招くシステム自体が悪い」と話している。
<評論家の佐高信氏の話> 外務官僚は特権だけを振りかざして本当の意味の外交をやって
こなかったのではないか。国益ではなく個益しか考えない。改革と言っても本人たちが汚れて
いる。局長以上の幹部が辞めて出直すしかない。
[毎日新聞6月12日] ( 2001-06-12-15:01 )