投稿者 asahi 日時 2001 年 6 月 10 日 17:47:05:
核密約文書は「不存在」 情報公開請求に外務省
日米安保条約改定や沖縄返還に関連した「核兵器持ち込み」をめぐる日米両政府間の一連の秘密合意を公開するよう求めた朝日新聞記者の情報公開請求に対し、外務省は「(そのような文書は)不存在」と回答した。「密約」の存在は米側の公文書や関係者の証言で裏付けられており、外務省の非公開決定は、不服審査の場などで問題となりそうだ。
本紙記者が請求したのは、(1)米国の核兵器搭載艦船や航空機の寄港・通過を安保条約の事前協議の対象から外すことを再確認した「大平正芳外相とライシャワー米大使の会談録」(63年4月)(2)非常時の沖縄への核再持ち込みを認めた「佐藤栄作首相とニクソン米大統領の合意議事録」(69年11月)など。
大平・ライシャワー会談は、やりとりを記した大使の公電が米国で公開されているほか、会談で再確認の対象となった密約(60年1月)が同じく米公文書で明らかになっている。佐藤・ニクソン合意議事録は、沖縄返還交渉で日本側の密使を務めた若泉敬・元京都産業大教授が著書で存在を明らかにした。米国務省も該当する文書の存在自体は認めている。
文書を「不開示」とした1日付の外務省の決定通知書は、その理由を「保有していないため」としている。政府は国会答弁などで「密約はない」と言明しており、この主張に沿った内容だ。(12:51)