投稿者 イージすかん 日時 2001 年 6 月 05 日 15:21:22:
外相「日米安保から自立」 「核の傘の保護」安易
ASEM会合の席上 独外相に強調
田中真紀子外相は五月二十五日に北京で開かれたアジア欧州会議(A
SEM)外相会合の際に行われたドイツのフィッシャー外相との会談
で、米国のミサイル防衛構想に疑念を表明したが、さらに、日米安保
体制に関連して「自立」する必要性にも言及していたことが五日、分
かった。外相は、これまでのミサイル防衛構想への疑念を表明したと
の一連の報道を否定、小泉純一郎首相も外相を守る姿勢を崩していな
い。しかし、今回の発言は米側の一層の反発を呼ぶのは確実で、今後
さらに厳しい立場に立たされそうだ。
会談で、田中外相は日米安保体制について「戦後、日米安保のもと
で日本は核の傘に保護されていたが、イージー(安易)な方法だった」
としたうえで、「日本はその後より重い責任をもつようになり、それ
に見合って日本が自立していく必要がある」と強調。さらに「自分は
反米ではないが、日米関係はターニングポイント(転換点)にあり、う
まくスイッチ(切り替え)できるために、もう一度考えていく必要があ
る」と述べた。
核兵器の脅威については、わが国の安全保障の基本方針を定めた
「防衛計画の大綱」で「米国の核抑止力に依存する」と明記されてい
る。「核の傘」に疑問を示した発言は、日米安保体制の堅持というわ
が国の基本路線のうえからも、国会などで論議を呼びそうだ。
外相の真意は不明だが、国際情勢の変化と日本の国際的な影響力の
増大にともなって、米国との協調より対抗意識を打ち出したものとみ
られる。
また、田中外相はミサイル防衛構想について「技術は宇宙や科学技
術に貢献するのはよいが、ミサイル防衛に使われることには懸念をも
っている」と表明。ブッシュ米政権についても「クリントン政権とは
立場が異なっており、欧州から米国にきちんというべきだ」と不信感
を示した。
フィッシャー外相との会談内容は、終了後に外務省から説明が行わ
れたが、ミサイル防衛や日米安保体制に関する発言は紹介されなかっ
た。ミサイル防衛に関する一連の発言と同様に、今回の発言も独断で
行ったとみられる。