投稿者 hotwired 日時 2001 年 5 月 29 日 12:33:47:
回答先: Re: エシュロン:毎日新聞が入手した欧州議会最終報告書草案=要旨 投稿者 kamiura.com 日時 2001 年 5 月 29 日 11:30:39:
『エシュロン』の脅威はさほど大きくない、と欧州議会で報告
Declan McCullagh
2001年5月24日 9:00am PDT ワシントン発――『エシュロン』として
知られる国際的な監視システムは実際に存在し、電話やファックスや
電子メールメッセージを傍受する能力を持つと、欧州議会のある委員
会は結論づけた。
250KBの報告書草案で委員会は、次のように述べている――エシュ
ロンは……米国、カナダ、英国などの英語圏の国々によって運営され
ており……諜報目的に設計されたものだ。しかしこれが、米国企業を
利するためにヨーロッパのライバル企業に対するスパイ行為に使われ
たという「確実な」証拠は存在しない。
エシュロンは、強烈な印象を与えはするが、ニュースで報道されて
いるほど「大規模な」ものではないと、33人の委員によるこの委員会
は結論づける。エシュロン・システムは主に人工衛星や無線傍受の方
法に頼っており、光ファイバーや電話線網を通じて流され、日々増大
していく膨大な通信については「ごく限られた部分」しか傍受できな
いという。
委員会は1年にわたる調査を締めくくり、6月か7月には報告書をま
とめて発表する予定だが、この調査は進行するにつれて政治論争に発
展していった。委員会の代表団が今月ワシントンを訪問したとき、国
家安全保障局(NSA)の当局者は彼らに会うのを拒否した。そのため欧
州議会は、対抗手段として決議を可決したのだ。
「米国は、欧州連合(EU)代表団が訪問したときの対応のせいで、ほ
ぼ間違いなく状況を悪化させた」と、米国科学者連盟のスティーブ
ン・アフターグッド氏は言う。同氏はリークされた報告書のコピーを
受け取り、今週それを自分のウェブサイトに発表した。
「米国は彼らを鼻であしらって、要するにこう言ったのだ――『勝
手に自分のやるべきことをやったらいい。われわれは気にしない』―
―これは、米国にとって建設的な態度とは思えない」と、アフターグ
ッド氏は言う。
おそらく、エシュロンの最も詳しい説明は、ジェームズ・バムフォ
ード氏が最近出した本『Body of Secrets』に書かれているものだ。
これによると、エシュロンとはNSAが1970年代に作成したソフトウ
ェア・パッケージの名前で、提携諜報機関は、世界中の傍受ポストか
ら集められた情報のプールを利用することができるという。
極秘ネットワークにアクセスしたアナリストは、『アルタビスタ』
に似た検索エンジンを使って、キーワード、名前、フレーズ、電話番
号などでエシュロン・システムを通して検索することができる。
昨年6月、欧州議会はエシュロン・システムを調査する暫定委員会
を設置して、米国、英国、オーストラリア、ニュージーランドによっ
て運営されているこのシステムがどの程度の規模のものか、また、国
際的な商取引の決定で米国企業を利するようなスパイ行為にこのシス
テムが使われたかどうかの調査を開始した。
欧州議会による暫定委員会の設置を定めた文書によると、同委員会
の目的は、欧州のプライバシーが侵害されていないかどうか、そして
「世界的な通信傍受によってヨーロッパの企業が危険にさらされてい
ないかどうか」を調査することである。
委員会の報告書草案は、不首尾に終わった米国への訪問に先駆けて
書かれたようだが、その中で委員会は、EUのいかなる加盟国も――つ
まり英国が――産業スパイ行為にエシュロンを使えば協定の義務違反
になると述べている。
NSAの法律顧問を務めるロバート・ディーツ氏は、1999年に次の
ように述べている。「NSAが米国の憲法や法律を侵していないことを
明言しておきたい。NSAは、議会、行政機関、司法当局の監視下で働
いており、大規模な管理システムによって活動が規制、制限されてい
る」