投稿者 kamiura.com 日時 2001 年 5 月 24 日 10:55:37:
「金正男」氏の4日間検証 写真手に成田で到着待ち (毎日 5月24日 朝刊)
[要約]5月1日、成田で拘束された金正男ら4人は、すでに事前の情報で駆けつけた公安調査庁や入管職員ら十数人見守る中で到着した。この事前情報は外国からもたらされていたが、法務省関係者はその機関については明らかにしなかった。また田中外相は川島事務次官の報告時に、その話しを聞き終わらないうち興奮し、説明も聞かず「すぐに追い出しなさい」とパニック状態になったという。
[コメント]毎日新聞が見開きで特集した記事である。情報機関や謀略ものが好きな人には、た
まらないドキュメントといえるだろう。日本には警察公安部、法務省(公安調査庁)、防衛庁
(自衛隊)、海上保安庁、外務省など、政府機関の中に情報機能をもっている。それぞれがア
メリカなどの外国の情報機関と連動(情報の交換)している。今回はほとんどの日本の情報機
関に金正男密入国情報が伝えられていたようだ。まあ、そんなところだろう。まずアメリカの
盗聴・情報機関の元締め(エシュロン)からFBIやCIAに情報が伝えられ、そこから日本の関係
機関(担当部署)に伝られたからだ。それより気になるのは外務官僚が語ったという、田中外
相がパニック(ヒステリー)になったという部分である。田中外相が中国との電話会談で、
「李登輝元総統にはもうビザを発給しない」と発言したとか、今回の金正男強制退去問題とい
い、外務官僚(ほとんどが川島事務次官)サイドの田中外相への反撃である。外務省とは元々
そんなところと承知していたが、異例の大臣就任で緊張し、まだ慣れなていない外相就任直後
の発言を、脅迫まがいにマスコミに流す官僚に責任は問えないのか。外務官僚が外相を補佐す
るのではなく、足を引っ張るような行為は国益に反している。国民は小泉改革を強く支持し、
田中外相が外務省の利権や汚職体質を改革しょうとする姿勢に期待している。官僚はそれを承
知の確信犯なのか。ところで皆(ある関係者たち)が、今までの外務官僚の失態を言い出した
ら、それこそ外務官僚への不信は機密費使い込みどころではなくなる。たとえばペルーの大使
公邸人質事件のとき、日本の外務省は各国の情報機関からどのような扱いを受けていたか。当
時の橋本外相をはじめ、まったく信用されていなかった。各国の情報機関は、「日本の外務省
には何も言うな」と現地で話し合っていたことをご存知か。関係国は地下(トンネル)から公
邸突入する作戦を2ヶ月以上前には知っていた。日本の外務省は、部隊が突入してから初めて
知った。外務省とはそんなところである。
(追伸:質問のメールで、「我々のメールもエシュロンは盗聴しているのでしょうか?」と
いうのが昨日届きました。むろん可能ですが、盗聴には優先順位があります。今の日本で優先
順位が高いのは中国訪問する田中外相の発言内容でしょう。でもエシュロンより同行の外務官
僚のほうが詳しく報告するでしょう。我々のメールを読むほどエシュロンは暇ではありませ
ん。あなたが大物のテロリストか世界的な新技術を開発した人でなければ、まったくエシュロ
ンの盗聴を心配する必要はありません。