投稿者 やました 日時 2001 年 5 月 20 日 19:10:12:
すこし報告が遅れましたが最高裁が神戸事件A少年人身保護請求特別抗告を最高裁が棄却しています。
神戸事件求める会ニュース16号
2001/4/30より転載
A少年の人身保護を求める会
東京都文京区湯島4-8-15
第3KSビル201
TEL03-5684-5408
FAX03-5684-5425
神戸事件A少年に対する人身保護請求訴訟(第5次)
不当にも最高裁が特別抗告を棄却!(4/25)
第6次請求の準備を開始した請求者・弁護団にいっそうの御支援を!
神戸事件で「犯人」とされ関東医療少年院に閉じこめられているA少年を
救い出そう!一この私たちの必死のよびがけは、またしても裁判所によっ
てはねつけられてしまいました。さる4月25日、最高裁判所は不当にも
私たちの請求(特別抗告)を棄却したのです。
34名の請求者と弁護団は、2月8日に第5次請求を東京地裁に提訴して
以降、裁判官への初めての面会をも実現しつつ、その後の不当な棄却決定
に対しては直ちに最高裁に特別抗告を申し立てるなどして奮闘してきまし
た。残念ながら一つの区切りがうたれたのだとはいえ、しかし闘いはまだ
まだこれがらです。第1次訴訟以来の闘いを通じて切り開いてきた地平に
ふまえて、弁護団は早くも次の闘いに向けた準備を開始しました。今後と
もよりいっそうのご支援・ご協力をお願いします。
一、請求者・代理人、そして賛同人をはじめ多くの支援者の方々とともに
進めてまいりました、「神戸事件」A少年の人身保護請求訴訟(第5次)
について、最高裁判所第二小法廷(梶谷玄裁判長)は4月25日付で不当
にも私たちの特別抗告を棄却しました。第4次訴訟までの闘いにふまえ、
請求者の皆様のご意見をうかがいながら弁護団内での論議をつみ重ねたう
えで3月27日に提出した「理由書」について、何ら具体的な検討を行わ
ないままこのような決定を出した裁判所の対応に、私たちは怒りをおさえ
ることができません。
二、さる2月8日に第5次の人身保護請求を提訴したことに対して、裁判
所は初めて弁護団との面会に応じたのでした。しかもその場で担当裁判官
は、前回(第4次)の裁判所が私たちの主張をまともに検討すらせずにわ
ずか4日で却下したのと違って、綿密な検討・調査を行った上で結論を出
すことを約束したのでした。その結果はすでにお知らせしたように「棄
却」であり、実際のところ私たちの主張をどの程度まで検討しまた具体的
な調査を行ったのか、はなはだ疑問なものではありました。とはいえ、地
裁はその検討に約一ヶ月を要し、また特別抗告を受けた最高裁も一定の期
間をかけて検討を行ったことなどを考えるならば、私たちの粘り強い闘い
が一歩一歩着実に裁判所を追いつめていることは疑い得ないことだろうと
思います。
三、それにしても、関東医療少年院の厚い壁の内に閉じこめられているA
少年が今どういう状況にあるのか、不安はますます募るぱかりです。「求
める会ニュース」前号にもありましたとおり、A少年は医療少年院に拘束
されて3年半以上もたつ今なお、窓一つない“特別房”に閉じこめられて
いると言われています。しかもA少年及び家族に対する社会的バッシング
は、まだまだ続いているのです。(「“少年Aを生んだ”A一家に、凶悪
犯罪を犯した長男を迎え入れる心の準備は未だにできていない」云々と、
それじたい怪しげな情報に依拠して書き連ねている週刊誌(『週刊新潮』
5月3・10日号)など)
四、故安倍治夫弁護士がくり返し力説されてきたとおり、人身保護制度
は、ヘビアス・コーパス制度を承継する憲法第34条後段に由来するもの
一一「密室」における危険な処遇の実態を公開の法廷において白日の下に
さらすことによりその人身の自由の完全な保障を実現せんとするものであ
ること一一にほかなりません。私たちはこの制度を活用し、A少年を救い
出すためにこれまで第1次〜第5次訴訟をたたかってきました。その中で
培ってきた教訓は、次の闘いに生かせるものばかりです。危機迫るA少年
を救い出すために、今後とも粘り強く、多くのみなさんとともにさらに大
きな力をつくりだしながらがんばっていきたいと思います。今後ともご協
力のほどよろしくお願いいたします。以上ご報告いたします。
A少年の人身保護請求訴訟主任代理人
弁護士 永見寿実
【人身保護請求裁判(第五衣)請求者一覧】
34名敬称略
阿倍猛(東京学芸大学名誉教授)/荒牧勢津夫(平和教育運動推進者)/
石上正夫(ノンフィクションライター)/伊橋彰一(中国帰還者連絡会会
員)/岩渕忠夫(関東軍元兵±、画家雅号崇男)/兼子新一(AWACS
配備に反対する浜松市民)/川平俊男(宮古島、子供の村「自然塾」主
宰)/菊田幸一(明治大学教授)/木戸大(被爆者・平和運動家)/久保
田東作(元中支那派遣軍司令部特務部軍属)/河野信子(作家)/駒井俊
二(神戸事件の真相を究明する会会員)/酒井博(大須事件元被告)/里
上譲衛(大阪経済大学教授)/島田文彦(作家)/壽岳章子(国語学者)
/杉浦登志彦(「建築ジャーナル」代表理事)/住友順一(元731部隊
員、元赤平地区分事務局長)/妹尾活夫(牧師)/竹本寛次(元新聞記
者)/戸田清(長崎大学助教授)/中沢昭(元箕面自由学園高校教員、元
私学問研・同和教育交流委代表)/中村克郎(前わだつみ合理事長)/成
田秋徹(愛知加ンセリング協会理事)/西内春生(高知県日中友好協会名
誉会長)/萩谷良(翻訳者)/樋口健二(フォトジャーナリスト)/藤井
勇夫(奄美大島・自営業)/古川路明(名古屋大学名誉教授)/馬塚丈司
(静岡大学文部技官)/村田拓(文化活動者)/安田恵嗣(牧師)/山下
光司(静岡大学工学部教授)/弓削達(東京大学・フェリス女学院大学名
誉教授)
【代理人弁護士】敬称略
永見寿実(主任)/奥田克彦/北沢孜/栃木義宏/前田知克/水泳誠二/
森下文雄/山口民雄/渡辺千古