投稿者 jij.co.jp 日時 2001 年 5 月 14 日 10:43:59:
核燃料サイクル開発機構、FBRで調査研究
核燃料サイクル開発機構は、FBR(高速増殖炉)サイクルの実用化戦略調査研
究(フェーズ1)の成果概要をまとめた。そのなかで、FBRシステムについては大
中型炉向けに水冷却大型炉概念などで目標達成可能なシステムを提示した。
FBRサイクルは将来のエネルギー源として有力な選択肢であり、99年7月か
ら電気事業者をまじえ、冷却水や燃料などのさまざまな方式について安全性、経
済性、資源有効性などを評価した。今後フェーズ2で概念設計の検討や要素技術開
発を行い、フェーズ3、4で実用化技術を提示したあと、2015年ごろに実用化の
ための技術移転に進む予定。
この調査研究は、原子力委員会の高速増殖炉懇談会が97年12月にまとめた最終
報告書に沿って、FBR実用化の可能性を追求するために進めている。実証炉
「もんじゅ」はナトリウム冷却とMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)の組
み合わせだったが、炉についてはナトリウム炉、重金属炉、ガス炉、水炉など、
また、燃料形態ではMOX、窒化物、金属というすべての組み合わせを検討し
た。
その結果、FBRシステムについては、基軸電源対応となる大中型炉向けには
ナトリウム冷却モジュール炉概念、鉛−ビスマス冷却中型炉概念、ガス炉概念、
水冷却大型炉概念で、また多目的利用の小型炉ではナトリウム冷却炉概念と鉛−
ビスマス冷却炉概念で、燃料サイクルシステムについても、それぞれ開発目標達
成の可能性のあるシステムを提示した。今後の第2フェーズでは、この組み合わせ
のなかから2、3の実用化候補概念に絞り込む。