投稿者 踊る藁人形 日時 2001 年 5 月 14 日 02:15:17:
(略)
キーワードは循環だ。食物連鎖、酸素と炭酸ガスの交換、微生物の活動など自然界の物質循環の中に人類が自分達の生態系をうまく溶け込ませたのが農業活動というわけだ。
この循環が途切れた時、土壌流出や塩害が発生、文 明が滅ぶ。
古代ギリシャは冬作―休閑を繰り返す伝統的な二圃式農業を伝統とし、コムギや大麦を栽培してきた。衰亡したのは換金作物であるオリーブとブドウへ傾斜し過ぎたためだという。オリーブとブドウを油と酒に加工し植民地に輸出、穀物を輸入する。
この結果、休閑されない土地が消耗、過剰な放牧で土壌流出に歯止めがきかなくなる。植民地の離反で交易が止まると深刻な食糧不足に陥り国力が衰えたところを征服された。
(略)
[日経産業新聞5/11 気になる一冊・自然の中の人間シリーズ「農業と人間編」西尾敏彦編]
★コメント
近未来に、農業の国際「アウトソーイング」が破綻するための現実的仮定条件なるものは、気象変動など今の日本ではいくらでも考え得るでしょう。
バブル当時は、
「日本の農業なんて、この先どっちみち競争力がないんだから外国からいくらでも買えばよい。そのほうが消費者の利益になる。そんな農業なんかより、その土地をもっと『有効利用』した方がよっぽど『経済効果が期待できる(=稼げる)』のに。おまえらバカめ、オレらが賢い儲け方をここまでして教えてやっているのに…」
と、幾人もの経済評論家が同じような主張を垂れ流していましたけど、彼らの当時の日本経済予測はどのくらい的中したか?今後の事も含めて、です。
ところで『超人世界支配』達成の暁には、(地域を自立させない意味を兼ねて)地球上の陸地を農業地域、工業地域、…等に『分類』して、そこに従順な混血家畜人類をあてがい、地球に君臨する自称超人階級のために強制奉仕させる…との説もあるらしいですが、
そのような極限化されたIT搾取分配・計画経済モデルでは、人口抹殺なき均衡を維持できる保証は決してないだろうと私は思いますけど。