投稿者 そらそやろ 日時 2001 年 5 月 12 日 12:53:04:
「エシュロン」調査門前払い 米の傍受網ナゾのまま
米国が世界に張り巡らす通信傍受網を使って産業情報を入手しているとされる疑惑で、欧州議会の暫定委員会調査団が今週、ワシントンを訪れた。米国家安全保障局(NSA)や中央情報局(CIA)などに面会を申し入れたが、政府機関はどこも門前払い。調査団は「失望した」と10日、予定を早めて帰国した。
疑惑の焦点は、米国が冷戦期からコンピューター技術を駆使して発達させたとされる通信傍受網「エシュロン」。世界の電話、ファクス、電子メールなどすべての通信を聞き分け、キーワードに基づいて標的の情報を抽出。特定人物の声までその周波数で拾い出すともいわれる。
「エシュロン」は、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドと協力しているともされるが、米政府は、その存在や運用を公式に認めたことがない。しかし、欧州議会では昨年、フランス系企業に対する受注妨害などが指摘され、疑惑解明の声が強まった。
10日に記者会見した調査団のコエリョ委員長(ポルトガル)によると、NSAなど情報機関だけでなく、国務省や商務省も面会を断った。NSA側は「諜報(ちょうほう)活動について否定も肯定もしないし、話し合いもしない」とロイター通信に語っている。
調査団は米議会の情報委員会メンバーらにはなんとか会ったものの、委員長は「米政府の冷遇ぶりに懸念し、失望している」と表明。「エシュロン」の存在を近く報告書にまとめるとしており、米国と欧州の対立の火種として残りそうだ。