米新政権、核戦略を大幅見直し ミサイル防衛は重視

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投稿者 asahi.com/0326 日時 2001 年 3 月 26 日 09:23:42:

米新政権、核戦略を大幅見直し ミサイル防衛は重視

 米政府は核ドクトリンや核兵器の規模、配置などをめ
ぐる大がかりな見直し作業に入った。議論の基本は、軍
備管理・軍縮の条約交渉にとらわれず、必要なら核の一
方的削減に踏み切る「単独行動主義」▽国際環境の変化
によって力の増強にも転じる「柔軟性」▽核戦力に米本
土ミサイル防衛(NMD)を組み合わせた「ミサイル防
衛重視」――の3つにありそうだ。

 見直し作業のレールを敷いたとみられるのが、全米公
共政策研究所がこのほどまとめた報告書だ。執筆陣に
は、ハドリー大統領副補佐官、キャンボーン国防長官特
別補佐官、シュナイダー元国務次官をはじめ、報告書の
完成直後に政権入りした高官、ラムズフェルド国防長官
に近い専門家たちがそろっている。

 報告書は、大量の核のにらみ合いで「恐怖の均衡」を
つくる冷戦以来の「相互確証破壊(MAD)」理論、旧
ソ連・ロシアとの交渉を踏まえた軍備管理について、
「冷戦後の国際環境にそぐわない」と退けた。

 そのうえで、脅威や核の標的などの全面的な洗い直し
の結果次第で、「一方的で大幅な核削減に踏み込むべき
だ」としている。選択肢には、7500発余の核弾頭を
「第3次戦略兵器削減条約(START3)目標の20
00―2500発よりも低い水準」まで大胆に減らす案
を挙げている。

 ここにあるのは、「核がどのくらい必要かは、米国自
らの条件で決め、ロシアとの釣り合いは考えない」(ペ
イン同研究所所長)という「核の単独行動主義」だ。前
政権とは根本的に違う方針で、「条約で弾頭数を固定す
れば米国の戦略が縛られる」との考えや、いずれロシア
も追随するという計算が背景にある。

 核の効用としては、「地域大国による大量破壊兵器の
使用、米国や同盟国への大規模侵略の抑止」「危機にお
ける米国の影響力向上」などを挙げた。また、「ロシア
や中国が、友、敵、中立のどれになるかわからない」
と、将来の不透明さにもふれている。

 こうした認識を踏まえ、「戦略環境が変わり、核の役
割が高まる日に備えて、核を減らしたとしてもまた元に
戻す」柔軟性は確保しなければならないと強調してい
る。柔軟性には、新型の小型弾頭の開発なども含まれる
とみられる。

 NMDの配備に縛りをかけている弾道弾迎撃ミサイル
(ABM)制限条約については「ミサイル脅威対抗の妨
げ」と切って捨てた。これは、攻撃用の核という「旧来
の矛」と、ミサイル防衛という「新たな盾」の組み合わ
せに、核戦略の道筋を見いだそうとする新政権の意向と
合致している。(07:56)





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