投稿者 sankei 3/8 日時 2001 年 3 月 08 日 11:49:28:
回答先: Bush pick up to Clinton talks on North Korean MIssiles 投稿者 某教会系新聞 日時 2001 年 3 月 08 日 10:32:32:
■どうなる米朝ミサイル協議
北朝鮮早期再開に意欲
年間2、3回の衛星打ち上げを
米高官明かす「今も提案生きる」
【ワシントン7日=西田令一】米国務省高官は六日、産経新聞に対
し、七日の米韓首脳会談で主要議題の一つになる北朝鮮ミサイルの問
題に関連し、北朝鮮の金正日総書記が米クリントン前政権に提案した
民間衛星の年間二−三個の打ち上げと引き換えに射程五百キロ以上の
中・長距離弾道ミサイルの実験、開発、製造、配備を凍結する−など
の米朝ミサイル交渉の内幕を明らかにした。同高官はこの提案は今も
なお生きており、北朝鮮側はブッシュ新政権との間で交渉を早期に再
開したい意向を持っていると言明した。
金総書記のこの提案は、オルブライト前米国務長官が昨年十月下旬
に初訪朝した際に行われた。国務省高官によると、提案は、(1)北朝
鮮は衛星の無料打ち上げを交換条件に、射程五百キロ以上のミサイル
の実験、開発、製造、配備を凍結する(2)衛星は軍事目的のものとせ
ず、打ち上げは米国が責任を持ち、技術が流れないよう北朝鮮の国土
以外で行う(3)本体や部品、技術など関連の輸出の全面禁止を受け入
れ、補償として年間十億ドル相当の食糧や石炭など物資の提供を求め
る−というものだ。
射程五百キロ以上だと、一九九八年夏に日本上空を超えて発射され
たテポドン1号(射程約二千キロ)や日本を射程に収めるノドン(射程約
一千三百キロ)が含まれることになる。
同提案を受けて十一月上旬にクアラルンプールで開かれた米朝ミサ
イル協議では、米側はさらに、ミサイル関連技術輸出規制(MTCR)
の基準に即して短距離ミサイルのスカッドも実験・開発・製造・配備
の凍結対象に含めることと北朝鮮がすでに保有ずみのノドン数十基と
スカッド数百基の段階的な全廃を要請したが、北朝鮮側はこれを拒否
した。
米側はまた、ミサイルの製造などが凍結されているかどうか検証す
る措置も求めた。だが、北朝鮮側は「何らかの監視は可能」(金総書
記)としながらも、現地査察には抵抗し、進展はなかった。補償問題で
は、軍事費に転用される恐れがある現金ではなく物資で行うことでは
一致したものの、詳細の内容は詰められなかった。
同高官は「年間十億ドル相当というのは譲れない線ではない。北朝
鮮側はそれを多少下回っても満足すると確信する」と述べた。ただ
し、提供物資の種類や金額にしてどの程度にするかの協議には入れな
かった。
米側はクアラルンプールには、大枠をうたう公開の合意文書草案と
細部を示した非公開の覚書草案まで携えていったが、北朝鮮側は受け
入れなかった。北朝鮮側は「米側が大統領訪朝を確約するまでは詳細
の協議には入らない」(同高官)との態度だったという。
以来一切の進展がないまま、大統領選後の事態混迷を迎え、前政権
下での交渉は時間切れに終わった。
同高官はしかし、「北朝鮮は提案を取り下げていないばかりか、ミ
サイル協議再開への意欲を示した」と語り、ミサイル発射凍結を解除
すると警告した先の外務省スポークスマン談話もその裏返しとみてい
る。