投稿者 asahi.com/0222 日時 2001 年 2 月 22 日 10:39:46:
首相外遊の随行者、延べ1万2000泊 元室長在任中
官房機密費の横領容疑で告発された外務省の元要人外
国訪問支援室長が、在任中に担当した首相の外国訪問に
随行した官僚の数や支払われた旅費補てん分の機密費な
どの全容が明らかになった。随行者の延べ宿泊数は
外務省の内部資料によると、松尾克俊・元室長の在任
期間(1993年10月―99年8月)には、細川護煕
氏の韓国訪問(93年11月)から小渕恵三氏の中国・
モンゴル訪問(99年7月)まで46回の首相の外国訪
問があった。
1回の宿泊日数は最長で9泊。随行者の延べ宿泊数は
1万2423泊に達した。首脳外交の活発化に伴い、随
行者の規模も拡大傾向が目立ち、それが支援室設置の背
景にあるとみられる。河野洋平外相は21日の外務省機
能改革会議で「少しものものしいのではと思う部分もあ
る。そこに落とし穴があった」と認めた。
一方、外務省の調査によると、元室長が官邸で受け取
っていた公金は(1)随行者全員(外務省職員を含む)
の旅費法に規定された宿泊費(旅費)(2)それと実際
の宿泊費との差額補てん分(官房機密費)の2種類。内
訳は、機密費による差額補てん分が約9億6500万円
で、規定分の宿泊費は官邸分が約2800万円、外務省
分は記録が残っている95年度以降で約9300万円。
総額は11億円前後にのぼった。
首相が泊まるクラスのホテル代と規定分の旅費との差
額は地域によっても異なるが、1人1泊数万円になると
いう。
元室長の就任前は、訪問先を担当する局や課の会計担
当者が官邸で受け取り、随行者に事前に支給したり、現
地に現金で持参して支払ったりしていた。しかし、就任
後は、元室長が一手に機密費などを受け取り、クレジッ
トカードや現金で一括精算するようになった。
訪問後に官邸に提出する精算報告書は、官邸からの随
行者分は宿泊先の正規の領収書だった。しかし、外務省
からの随行者分は元室長が自分で作った「支払い証明
書」だった。このため元室長が受け取った公金のうち使
途が明確なのは、官邸からの随行者分の宿泊費(差額補
てん分を含む)約4億2000万円だけ。
外務省は、官邸からの随行者については内閣官房内で
チェックが可能なため、元室長は水増し請求などの不正
はできなかったと見ている。元室長が横領した公金はほ
ぼ全額が外務省からの随行者の差額補てん分とみられ、
外務省のチェック機能の甘さが改めて浮き彫りになっ
た。(09:29)