投稿者 毎日 日時 2001 年 2 月 11 日 15:09:03:
<ブッシュ米大統領>包括的新軍事戦略作りへ NMD構想軸に(毎日新聞)
【ワシントン9日中井良則】ブッシュ米大統領は9日、核戦力削減だけでなく兵器開発や兵士の待遇も含めた包括的な新軍事戦略作りに乗り出す姿勢を明らかにした。
「核抑止力」「軍備の構成」「兵士の待遇」の3項目について見直しを国防総省に命じる大統領の行政命令が作成され、ブッシュ大統領が来週、署名する。冷戦終結から10
年を経て、大量破壊兵器の拡散やテロなど21世紀型の脅威に対応するため、従来の核弾頭から、米本土ミサイル防衛(NMD)構想を軸としたミサイル防衛や通常兵器の
開発に重点を移すのが狙いだ。
9日付け米ニューヨーク・タイムズは米国が保有する核弾頭の大幅削減方針を報じたが、ブッシュ大統領は同日、「米軍のすべての任務や予算の優先順位を全面的に見
直す作業を始めた」と述べ、総合的な軍事戦略見直しの方針を確認した。
ラムズフェルド国防長官はすでに国防総省内で責任者を指名し、軍事力の見直し作業に着手している。核弾頭数を2000〜2500個以下の水準にまで削減する方針に
加え、ワシントンポスト紙によると、空軍のF22戦闘機や陸軍の大型戦車、海軍の空母など多額の開発経費を必要とする大型兵器も含めた再検討が行われているとしてお
り、予算の効率的配分を目指し、政策を進めるとみられる。
これに関連し、パウエル国務長官も同日、「攻撃型核兵器、大量破壊兵器の拡散防止、戦域ミサイル防衛、米本土ミサイル防衛を含む全体的な戦略枠組みの評価を国
防総省が行っている。その結果を受け、われわれは同盟国と協議し、ロシアや中国とも話しあう」と述べ、米政府全体で取り組む姿勢を示した。
フライシャー報道官は目玉の核戦力削減について「大統領は昨年5月、外国との条約ではなく、米国が独自に核戦力の適切な抑止水準を決定する可能性について言及
している」と述べ、一方的削減が選挙公約だったことを強調した。
ブッシュ大統領は来週、国内の軍事基地を訪問し、新たな国防政策の基本を発表するとみられる。