投稿者 踊る藁人形 日時 2001 年 2 月 10 日 00:06:01:
ダーウィンを魅了したウシが再び、進化の研究で注目されている。「同系交配によって、系統内から有害な遺伝子が一掃される可能性がある」とする説があるが、その裏づけになるのが、イングランド北部にいる野生化したウシの群れだという。
英エディンバラ大学のピーター・ヴィッシャー博士らから、この49頭のウシの一群は遺伝的にほぼ同一だと報告した。
この群れには少なくとも300年間、血縁関係のないウシが加わったことはないと考えられている。それにもかかわらず、生殖能力にも生存能力にも低下が見られない。
このことからヴィッシャー博士らは、同系交配がこの群の適応度を下げるどころか、実際には適応度を保っているらしいと結論づけ、「このウシの群れの同型接合性は、ウシゲノムの解析や疾病抵抗性の遺伝学の研究に役立つかも知れない」と付け加えている。
(18日発行に掲載)
[日刊工業新聞1/22「『ネイチャー』ダイジェスト」]