投稿者 テクノロジーに重点を置きすぎると、言葉の発達や大人との絆の確立に必要な社会的相互交流の機会を子どもから奪ってしまうことにもなりかねない 日時 2000 年 12 月 25 日 02:00:43:
「小学校以下へのコンピューター導入は無益有害」
AP通信社
http://www.hotwired.co.jp/news/news/Culture/story/20000913206.html
2000年9月12日 9:55am PDT 教育現場でコンピューターやインターネット接
続に何百億ドルもの費用を費やしても、長期的成果はほとんど期待できない
し、それよりも教員の確保や他の施設改善にもっとお金を使うべきだ――教室
にテクノロジーを持ち込むことに反対するある団体が12日(米国時間)、このよ
うな報告書を発表した。
「われわれは、ほとんど議論のないまま、大急ぎで小学校にコンピューター
を導入し、巨額の予算を使ってきている」と語るのは、ジョアン・アーモン
氏。同氏は、ボルチモアで幼稚園教諭をしていた人物で、現在は『子どものた
めの同盟』アメリカ支部の責任者を務めている。
「成果が得られるという確固たる証拠もなしに、教育のこの方面にこれほど
たくさんのお金を使うのは、恥ずべきことだ」とアーモン氏は述べる。
クリントン政権は主な目標の1つとして、アメリカ全土の学校にコンピュー
ターとインターネット接続を導入することによって「デジタル・ディバイド」
(情報格差)を解消することに取り組んできた。
しかし、教育者や医師、心理学者らによって構成される国際的な協力団体で
ある『子どものための同盟』(本部メリーランド州カレッジパーク)は、幼児や
幼稚園児、小学生向けの理想的教育道具としてコンピューターに重きを置く方
針から脱却するべきだとして、政策の見直しを求めている。
多くの専門家は、低学年でのコンピューターの使用が、のちの学校での成績
アップにつながるという直接的証拠はほとんどないと言っている。『ETS』(Ed
ucational Testing Service)が1998年に実施した調査では、小学4年生および
中学2年生の児童・生徒に関して、コンピューターを使った学習ゲームをした
後の方が、する前より数学のテストの点数が15%あがったという結果が出ては
いるが、基礎的学力の訓練でコンピューター使用にメリットがあるという結論
は導かれなかった。
今回提出された報告書には、コンピューターが教育に及ぼす影響については
限られた数の調査しか行なわれていないにもかかわらず、米国の公立学校は過
去5年間にコンピューターやそれに関連する技術に270億ドル以上も費やしてき
たと書かれている。
これだけの予算が、1クラスあたりの生徒数の削減や学校施設の修理、鉛に
よる環境汚染対策など、教育現場が抱える他のさまざまな課題の解決のために
使われていれば、もっとよい結果が得られたはずだと、報告書は結論づけてい
る。
報告書はさらに、コンピューターが反復運動過多損傷(RSI)や眼精疲労、肥
満など、子どもたちの健康上の問題の増加を引き起こしている可能性があると
も警告している。
また、テクノロジーに重点を置きすぎると、言葉の発達や大人との絆の確立
に必要な社会的相互交流の機会を子どもから奪ってしまうことにもなりかねな
いとも、報告書は述べている。
[日本語版:藤原聡美/合原弘子]
http://www.hotwired.co.jp/news/news/Culture/story/20000913206.html
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