NMD推進を強調、欧州と溝 米新国防長官が独で講演

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投稿者 らむちゃん 日時 2001 年 2 月 05 日 07:55:26:

NMD推進を強調、欧州と溝 米新国防長官が独で講演

 ラムズフェルド米国防長官は3日、ブッシュ政権発足後初めて欧州を訪問し、ドイツ南部のミュンヘンで開かれた安全保障に関する国際会議で講演した。米国のブッシュ政権が積極推進を表明した本土ミサイル防衛(NMD)に対し、欧州諸国が新たな軍拡競争を招きかねないと懸念する中、長官は「同盟国と距離をおく防衛政策には関心がない」としながらも、「この防衛システムはだれの脅威にもならない」とNMDを推進する姿勢を強調、米欧間の溝が改めて浮き彫りになった。
 民間団体が主催したこの会議には、英独仏伊各国の国防相やロシアのイワノフ安保会議書記らが出席。ラムズフェルド長官は、「同盟国と相談しながら進めることは明確にしておきたい」としながらも、NMDについては「米国が自国民を守るための計画で、自国の防衛は大統領の責任だ」と強調。「ミサイルの脅威にさらされている同盟国にも、同様の防衛システムの配備を準備するものだ」と述べた。
 これに対し、ロシアのイワノフ安保会議書記は、4日の講演で、NMDを「戦略的均衡を脅かし、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約を無にする」と強く批判した。長官に先立って講演したシュレーダー独首相も、「ロシアや中国との関係を考慮しなければならない」とNMD推進に懸念を表明していた。
 また米国筋によると、シャーピング独国防相も長官と会談し、「北大西洋条約機構(NATO)同盟国と緊密に協議して欲しい」と米国が独走しないよう注文をつけた。
 欧州側のもう1つの関心であるバルカン地域の平和維持活動について長官は、現在駐留している約1万人の米軍を「突然に撤収する意図はない」としたが、「撤収の方法と時期について米欧が引き続き検討する必要がある」と述べ、段階的撤収を示唆した。
 一方、欧州連合(EU)がNATOとは別に、創設準備を進めているEU独自の緊急対応部隊について、ラムズフェルド長官は「NATOの力と立場を弱くしてはならない」と警告した。これに対しEUのソラナ共通外交・安全保障上級代表は、「EUの紛争即応力の強化は米国の利益にもなる」と反論。リシャール仏国防相も、緊急対応部隊は「NATOに代わるものではない」と理解を求めた。
 米国の新国防長官の欧州での初舞台だったが、NATOのロバートソン事務総長も「米欧間に大きくはないが、違いはある」と認めた。統合への動きを軍事面でも強め始めた欧州と、米国のブッシュ政権との間で今後、火花が散りそうだ。 





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