投稿者 asahi.com/0204 日時 2001 年 2 月 04 日 09:52:56:
「機動的」に使うと余り出ないの? 機密費、完全消化
外務省の元要人外国訪問支援室長による機密費(報償
費)横領疑惑に絡んで、首相官邸と外務省の予算に計上
された機密費(年間計約72億円)がここ10年以上、
ほぼ残額なく使い尽くされていることが朝日新聞社の調
べで明らかになった。政府は機密費について「情報提供
者への謝礼など当面の任務と状況に応じ、機動的に使用
される経費」と説明してきたが、「状況に応じて」であ
れば、年によってはばらつきがあってもいいはず。恒常
的に会計操作をしてきたとの指摘もあり、機密費をめぐ
る不透明な運用をうかがわせるデータといえそうだ。
1999年度まで15年間の補正後の機密費の予算額
は、官房機密費、外交機密費ともそれぞれ数年ごとに増
加してきた。
一方、使い残した予算に当たる「不用額」では、10
0万円を超えたのは90年度の官房機密費だけ。外交機
密費(本省分)では94年の残額は22円、95年はわ
ずかに5円。このほかの年でも、予算と決算がほぼ同額
になっている。
例えば道路建設で用地買収が事業計画通りに進まなか
った場合など、多ければ億単位の「不用額」が出るケー
スも少なくない。
これに対して機密費は、事前の事業計画に応じて予算
額が決まるわけではない。年度ごとに支出される金額に
バラつきがある方が自然で、「不用額」も年度によって
変化するはずの性格を持っている。
外務省関係者によると、予算を使いきるための操作が
恒常的に行われているという。もともと機密費は情報提
供者への謝礼など一定の理由があれば、会計処理に領収
証が必要ない。また、領収証が必要なケースでも、領収
証そのものは本省に上げなくてもいいことになってい
る。このため、「他の経費を機密費で落とすなど、操作
がしやすい」という。
例えば、不足しがちな交際費を補うため、交際費とし
て処理すべき会食を機密費として処理――といった手法
がとられている、と関係者は話す。年度内に使いきらな
いと翌年度の予算が減額されかねないとの判断もあると
いう。