投稿者 weeklypost.com/jp/010209 日時 2001 年 1 月 30 日 11:04:36:
■独走スクープ 森自民党はまるごとKSDに汚染
党費立て替えこそ疑惑の核心
(1)「党費は賄賂か」をめぐる自民VS検察
前自民党参院議員会長
の村上正邦氏はKSD
(財団法人ケーエスデー
中小企業経営者福祉事業
団)と最も親密な政治家
である。KSDにとって
村上氏は強力な政治的後
ろ盾であり、村上氏には
KSDは≪票とカネ≫の
政治基盤そのものといえ
る。
両者の関係を象徴する
のが98年の参院選だ。
KSDは村上氏を自民党
の比例代表名簿順位上位
に登載させるため、党員約19万人分、約5億3000
万円の党費を立て替えたといわれる。
それが功を奏して村上氏は当選確実な名簿順位2位で
4選を果たした。
党費立て替えとはどんな意味を持つのだろうか。
亀井静香自民党政調会長と検察とは逆の立場ながら党費
立て替え問題の重大性にいち早く気付いたらしい。
過日(1月15日)、亀井氏は会合でたまたま顔を合
わせた高村正彦法相とKSD事件に関連した話をしたこ
とが、その後、自民党実力者による捜査介入を疑わせる
と問題になった。
検察への指揮権を持つ高村氏は「捜査の話はしていな
い」と強く否定したが、亀井氏は記者団にこう説明し
た。
「小山氏の件が新聞に出ているので高村氏と話した。
(KSDによる)自民党費の立て替えの話とかと混同し
ないようにと言っておいた」(読売新聞1月16日付)
会談は村上氏の元秘書である小山孝雄参院議員がKS
Dからの受託収賄容疑で逮捕される直前のタイミングだ
ったが、亀井氏が語った「党費立て替えの話とかと混
同」とはどういう意味だったのか。
その後、2人の会談の問題はいつの間にか立ち消えと
なったが、特捜筋は亀井氏が高村氏に伝えた内容につい
て綿密な情報収集をしたようだ。
「亀井政調会長は単純に党費立て替えと政治献金を混同
するなといったわけではない。彼は検察が立て替えを賄
賂と認定した場合、自民党そのものが収拾つかない混乱
に陥ることを警戒し、事前に法務大臣に釘をさしておく
ことに力点があった」
特捜筋はそう明かす。折しも問題の会談の翌16日、
小山氏は東京地検特捜部に逮捕された。小山氏も村上氏
同様、95年の参院選の際にKSDからのべ12万人
分、約4億円の党費を立て替えてもらっていたとされる
が、直接の逮捕容疑は立て替えではなく、KSDからの
2000万円の闇献金だけが賄賂とみなされた。
亀井氏の「混同するな」という言い方は、裏返せば、
検察がKSD事件で闇献金と党費立て替えを混同=同一
の賄賂と認定して捜査を展開した場合、小山氏ばかりで
はなく、村上氏を含めて捜査対象が自民党内に大きく広
がることを危惧していることを示唆したのではなかった
のか。
党費立て替えを賄賂と認定するかどうか。KSD捜査の
水面下ではその一点をめぐって自民党中枢部と特捜部が
火花を散らしているのであり、それが今後の捜査の展開
に大きくかかわってくる――。