投稿者 1/22 yomiuri 日時 2001 年 1 月 22 日 18:11:25:
夢の天然ガス、初の採掘実験
経済産業省・資源エネルギー庁は二十二日、日本とアメリカ、ドイツ、
カナダの四か国の政府が共同で、二十一世紀のエネルギー源として期待さ
れる「メタンハイドレート」の世界初の採掘実験を来年、カナダで行う計
画を明らかにした。
メタンハイドレートは、メタンガスが低温、高圧下で氷状になった物質
で、埋蔵量は石油や天然ガスに匹敵すると言われる。燃焼時の二酸化炭素
の排出量が少ないため、クリーンエネルギー源として期待される。採掘に
成功すれば、日本近海などでの採掘にも道が開けるため、国内の関係者も
大きな関心を寄せている。
メタンハイドレートは、南極、シベリア、アラスカなどの永久凍土地帯
や、水深五百メートルを超える深海底のさらに地下深層部に分布してい
る。溶けると天然ガスの主成分であるメタンと、水に分離する。
共同採掘実験は、北極圏に位置するカナダ北西部のマッケンジー川河口
付近のデルタ地帯で行われる。厳冬期で地盤が安定する来年一〜三月に、
四か国が技術者や研究者を派遣、地下千二百メートルまで掘り進める。
メタンハイドレートの回収については、氷状の固形物として取り出すの
は、コストもかかり、効率的でないため、外部から空気を入れて圧力を下
げたり、水を注いで温度を上げ、気体で取り出す方式が検討されている。
今回の実験でも、こうした手法を使い、気化させて地上に噴出させる予定
で、効率良くガスが取り出せるかなどを検証する。
メタンハイドレートは、日本近海でも静岡県の御前崎沖などに存在する
ことが確認されている。御前崎沖を含む日本近海(日本の経済水域)の推
定埋蔵量は七兆四千億立方メートルと、日本の天然ガス消費量の約百年分
にのぼる。
(1月22日14:35)