投稿者 1/19 yomiuri 日時 2001 年 1 月 19 日 17:45:18:
日本企業、ロシアと提携して宇宙ビジネス
三菱重工やNECなど六十社が出資する宇宙開発関連企業「有人宇宙シ
ステム」(本社・東京)は、日米欧など十六か国が参加する「国際宇宙ス
テーション(ISS)」で、ロシアが行う災害観測に、独自に参加する計
画を進めている。計画への参加は早ければ来年になる見通しだ。実現すれ
ば、二〇〇四〜五年にかけて行われる宇宙開発事業団の実験棟「きぼう」
の打ち上げより前に、日本企業の参加によるISS利用がスタートするこ
とになる。
同社が参加を計画しているのは、地球で起こる地震や噴火、山火事など
の大規模災害を宇宙から観測するロシア科学アカデミーの「ウラガン・プ
ロジェクト」。高精度のカメラで地表を観測し、災害の早期発見や地震予
知などに役立てる。
関係者によれば、ロシアがISSで使用するカメラに取り付ける追尾機
能付き台座の開発費を、同社側が負担。見返りに実施計画や搭乗員の訓
練、運用、観測データの処理などに参加する。同社では、商業利用の制約
が多い日本政府の計画に比べ、宇宙での映像などの広告利用が見込めるこ
とから、国内の宇宙開発関連企業に参加を呼びかけ、実現を目指してい
る。
宇宙開発分野での日露間の国際協力については、日本側は文部科学省と
宇宙開発事業団、ロシア側は宇宙庁などが窓口となるが、今回の計画は、
各国との宇宙ビジネスを行っているロシアのプログレス社と有人宇宙シス
テムとの間で調整が進められている。
ISSでの商業利用は、米、欧、カナダなどもすでに準備を進めてい
る。日本では政府の宇宙開発委員会の部会が、「きぼう」での商業利用を
認める報告書を昨年十一月にまとめているが、具体化は遅れている。
(1月19日11:03)