投稿者 1/17 yomiuri 日時 2001 年 1 月 18 日 10:49:17:
平壌到達可能ミサイル、韓国が開発宣言
【ソウル17日=森千春】韓国外交通商省は十七日、射程三百キロのミ
サイルを自国で開発・保有する決定を柱とする、「ミサイルに関する新指
針」を発表した。これまで韓国のミサイルは、米国との取り決めで、射程
は百八十キロ以内に制限されていたが、韓米交渉で射程延長で合意したこ
とを踏まえ、ミサイル能力向上を宣言したものだ。
新指針は、韓国が近く、ミサイル拡散防止のための国際的な取り決めで
ある、ミサイル関連技術輸出規制(MTCR)に加盟する方針を明記。平
和的宇宙開発のためのロケットについては、「透明性をもって」開発する
としている。
射程が三百キロに延長されたことで、韓国のミサイルは、北朝鮮の首
都・平壌に到達可能となる。韓国マスコミによると、韓国はすでに、射程
三百キロ規模のミサイル開発を進めている。
韓国は、北朝鮮に対する抑止力向上を目指し、金泳三政権当時の一九九
五年、射程延長を求めて、韓米ミサイル交渉を開始。対北朝鮮「太陽政
策」をとる金大中大統領も、「対北朝鮮政策の基礎は強固な安全保障」と
の立場から、北朝鮮のほぼ全土をおさめる射程五百キロのミサイル開発ま
で許容するように求めた。
米国は、韓国のミサイル能力の向上について、北朝鮮のミサイル開発に
口実を与え、日中まで巻き込んだ軍拡競争につながりかねないとの憂慮か
ら慎重だが、結局、韓米関係を良好に保つ観点から、三百キロまでの射程
延長に合意したものだ。
韓国ミサイル射程延長の決定は、昨年六月の南北首脳会談後の和解ムー
ドとは逆行するかのように見える。だが、韓国にとっては、北朝鮮のミサ
イル開発への対抗という宿願を実現すると同時に、軍事面で米国からの自
立性を高めるという長期的な意義を持つ。
射程百八十キロ制限は、韓国軍部の独自行動を恐れる米国の求めに応じ
て、韓国側が七九年、文書の形で約束し、九〇年に再確認した。
北朝鮮が八〇年代から、スカッド・ミサイル(射程五百キロ)で韓国本
土を射程におさめ、その後もノドン、テポドンなど着々と新型ミサイルの
開発を進めるのを見て、韓国軍部・保守勢力の中では、ミサイル射程制限
への不満が増大していた。