投稿者 みやてん 日時 2001 年 1 月 07 日 02:52:46:
回答先: 宮崎学氏に直撃インタビュー(上) 警察「不祥事」で露呈した日本の国家的危機 投稿者 みやてん 日時 2001 年 1 月 07 日 02:50:10:
レコンキスタ6月1日号より転載
警察の「記者クラブ制度」にこそ問題あり!
宮崎 公開質問状とは、こういうことなんです。中坊が住専機構をやっていた時、金融危機があって、国民の怒りはいい加減な金融機関と大蔵省に集中したわけです。その時、中坊という人を据えて、いったん金融機関を助け、再建機構を作って回収しようということになった。結局どうなったかというと、六十兆円近いカネが金融機関に流れ込むわけです。そのうち回収したのが数兆円なんです。いってみれば、中坊が登場することによって、平気でカネが湯水のように流れ込めるようになっただけ。経済的な効率で回収したものは10%にも満たないんです。つまりこれと同じことが今回の警察の問題でも起こるんじゃないか。
木村 なるほど。前例があるわけですね。
宮崎 つまり、警察に対するいろんな批判が起こっている。けれど、中坊さんが作る刷新会議の案がいいんだということになれば、緒局はガス抜きされ、抜本的な改革に至らないもので終わってしまうだろうと思うんです。まあ、警察腐敗の原点たる後藤田が入っているわけですね。一体何なの(笑)。それと、あのメンバーの中には大宅映子なんかも入ってます。あのメンツじゃあ、後藤田の意見が通るに決まってるじゃないですか。
木村 ほかは全部素人ですものね。
宮崎 素人は素人でいいと思うんだけれど、だったら全部素人にやらせりゃいいだろうと思いますね。要するに、警察刷新会議にしても何にしても、日本的なやり方で抜本的な改革も何もできないまま、結局は警察の腐敗構造と歴史をそのまま残すことになるだろうと思います。
木村 六月下旬に答申が出ますが、そういう構造を残したままでは、全然ダメだということですね。
宮崎 それはハッキリしていますね。
木村 むしろどうですか。宮崎さんとか僕らとか、警察が一番嫌がる人たちが公安委貝になるとか、刷新会議の中に入っていって…。
宮崎 二千六百万の報酬。あれはいいですねエ(笑)。
木村 二人折半で千二百万でもいいけど(笑)。一番警察が嫌がる人を入れないと、意味がないと思うんですよ。あと、公安委貝会が 宮崎さんや僕らを入れていけば、警察が嫌がってチェックする機能になると思うんです。それがままならないならば、警察の傀儡でガス抜きで、丁々発止で終わってしまうと思うんですね。それじゃあ、警察は刷新できないと思うんです。
宮崎 一番手っ取り早い改革というのは、記者クラブ制度の廃止ですよ。で、取材は勝手にやる。グローバルスタンダードなんてことをいって、一番遅れているのはマスコミなんです。アメリカの制度やシステムが一番良いとは決して思いませんが、アメリカのフリーのジャーナリストのあり方というのは、それなりに凄いと思うんですね。戦争報道にしても何にしても、日本の新聞社は湾岸戦争のときも全部引き上げるといったわけでしょ。アメリカは行ってますからね。やっぱり職業に対する意識というものが全然違う。そういう問題があるんだけれども、警察の問題でいえば、やはり記者クラブ制度の廃止と情報公開でしょうね。
木村 ディスクロージャーということですね。
宮崎 つまり、記者クラブがあって、そこが優先的に情報をもらえる場であるから、そこにいる人は警察を庇(かば)ってしまうわけです。そこを取っ払ってしまえば、どんどんやって)まいます。権力をチェックするという、本来果たさなければならないメディアの役割は、記者クラブ制度を警視庁詰め新聞社の七社会が放棄すればできることえです。一番手っ取り早いのは、朝日が形だけであれ、記者クラブ制度に異論があるといっているわけですから、朝日が抜けちゃえばいいんですよ。
木村 ハハハ、それはいいですね。抜けろと。
宮崎 そうすれば、崩壊してしまいますから。一社でも抜ければ。私等で勝手にやりますからと。警視庁クラブの縛りとか、そういうこととは全く関係なくやりますと。そうすれば報道協定なんかもできなくなりますから。
犯罪警察官には加重刑を!
木村 そうですね。取材競争でやればいいんですから。
宮崎 一生懸命やればいいんですよ。警察の改革というのは、記者クラブ制度廃止が先にあるべきだと。二番目には他の官庁、大蔵とか通産にしてもそうなんだけど、リストラなんです。小さくするという話があるんですが、警察は絶対小さくならない。二四万人警察官がいるといいますが、増えることはあっても減ることはない。でも僕は一部民営化できる部分はあるだろうと言ってるんです。
木村 交通とか。
宮崎 交通なんかは完全に民営化できますよ。免許証の発行なんてパスポートと一緒じゃないですか。
木村 そうですね。
宮崎 そこのところの採算べースを考えて民営化すべきだろうと思うんです。
木村 それに公安警察なんかリストラできるんじゃないですか。
宮崎 要らないでしょう。一水会ぐらい見張っていればいいだけで(笑)。
木村 革マル位ですか、あと宮崎さんのところと(笑)。
宮崎 僕はやっぱり、他の官庁と同じようにリストラすべきだと思いますね。民営化できるところは民営化すべきだろうと。それから、もう一つの問題というのは、警察官が違法行為を行った場合刑の加重をすべきだと。
木村 ああ、それはそうですね。
宮崎 当たり前なんですね。
木村 一般人とは違うわけですから。法に携わっている分、重くする。
宮崎 今、裁判所で出る判決を見れば明らかなように、暴力団は最低五割増しなんですよ。
木村 看板しょってるからですか。
宮崎 だったらお前たちだって看板しょってるだろうということですよね。
木村 そうですね。
宮崎 だから五割増しの刑の加重をすべきだと思つんです。
木村 それはいいですね。
宮崎 そういう意見を僕は持っている。寺澤有なんかは、讐察官全員を清算事業団へ送ってしまえと言っている。
木村 ハハハ。
宮崎 清算事業団へ送って、全員解雇。改めて警察を作ると。
総会屋より始末が悪い天下り警察官!
木村 うーん、極論ですけどね。話は変わりますが、警察と企業の関係ですが、企業の方も「天下り」を受け入れすぎちゃうというのは、良くないんじゃないですか。ほかの省庁にもいえますけど。
宮崎 その通りだと思いますね。これも警察の利権との関係で、商法改正をやった時に、元々日本の企業なんていうのは、総会屋と関係のない企業なんてなかったわけです。いいか悪いかは別にして、日本の資本主義の特徴だったところがあって、イヤなことは全部やらせていたわけです。今流行のアウトソーシングってやつでね。
木村 そうですね。
宮崎 それは、企業そのものもそれほど立派な活動をしてなかったということとの関係で、商法改正でカネを取った総会屋だけじゃなくて、企業まで逮捕されて違法性を問えるようになった。これも警察利権とつながるようになった。例えば(特暴連(特殊暴力防止対策連合会)というのがあって・・。
木村 ええ、これはひどいですね。
宮崎 これも講演かなんかをやって企業から賛助金を巻き上げるという、それが総会屋じゃないかということをずっとやってるわけですね。
木村 そうですね。
宮崎 企業の方としては、新たな動さが出ると思うんですよ。僕の知ってる一部上場企業の総務担当者が言ってるんですが、総会屋とつき合っていたほうがコストが安いと言うんですね。天下りを三人とったらキャリアで年収一千万、ノンキャリアで六〇〇万だというんです。そのキャリアは文句が凄いというんです。秘書を付けろ、車を付けろなんてことを言うわけでしょ。仕事なんてできないし、させないほうがいいわけです。だから、総会屋が来て年間三万だか六万だかで情報紙を買っていた方がずっと安いというんですよ。
木村 多分、それは正直な話だと思います。
宮崎 企業だから経済効率を考えればいいわけであって、経済効率から警察問題や天下りを見直すという傾向がこれから出てくると思います。警察のやった手口の中で一番エゲツないといわれたのが、某事件というのがあったんです。某事件というのは、ある会社の創立者が警祭からの天下りを拒否したんですよ。そしたら、総会屋との関係があるということで逮捕されちゃったんですよ。
木村 へえ、それはいつですか。
宮崎 七年位前です。それを見て企業経営者はビビッたわけです。つまり、総会屋との関係のない企業はないわけであって、ウチもやられるかもしれない。それを防ぐためには天下りを採った方がいいと、こうなるわけです。
木村 でも本音は、経済効率を考えれば、総会屋の情報紙を取った方がいいと。
宮崎 そりゃそうでしょう。例えば、右翼系総会屋なんて一杯いたわけで、それはそれなりに一種の役割を果たしていたわけですから。
木村 アウトソーシングですから、やってますよね。
宮崎 何か知らないけど、一生懸命企業のために働いたりしてますから。それが右翼の人とどう関係があるのかは別としても、それなりの役割は果たしていると思うんですよ。
腐敗権力の抜本的刷新を!
木村 そうですね。総会屋の方々が企業に質間状を出してどれだけ天下りしたのかハッキリさせろと迫るのも面白いですね。
宮崎 一水会の活動でもいいんじゃないの。別に違法行為じゃないですからね。
木村 第一に警察刷新会議はどうなるかわからないけど、記者クラブの見直し、二番目に一部民営化、三番目に刑の加重、この世論を作っていくことによって、新聞社が記者クラブから出ていって、フリーのライターがバシバシ書けば、やっぱりビシッとせざるを得ないでしょうね。
宮崎 警察はビビるでしょうね。ただ一つ残念なのは、去年の盗聴法を国会でやってる最中にこれが出たでしょ。今でさえ利権に群がる警察に新たな利権につながる武器を与えちゃったんです。
木村 その通りですね。ところで盗聴法の施行は今年ですか。
宮崎 七月からですね。あれが施行されたら、企業情報なんていくらでも取れるわけですよ。競争する相手に売ればいいじゃないですか。ものすごい情報利権になりますよ。だって一水会の情報を聞いたり、オレの情報を聞いたっておカネにはならないじゃないですか。
木村 企業の情報なら、これは産業スパイですからね。何でもアリのやりたい放題になったら良くないですよ。警察の思うツボっていうか。腐ってて利権があればより腐っていくと、これは何とかしなくちゃいけませんね。
宮崎 ただ、今回の警察の腐敗があったし、自衛隊の腐敗が出てくるわけですね。つまり、権力の中枢が腐り始めているということです。いってみれば、警察や自衛隊というのは国家にとって骨組みになるわけでしょ。
木村 そうですね。
宮崎 そこがそれだけ腐っているということは、大変な危機だろうと思いますね。
木村 こうした国家危機を、我々の立場では「維新」しなくちゃいけないということですね。本日はどうもありがとう
ございました。(了)
(文責・安田四郎)