投稿者 得るネオ酢 日時 2001 年 1 月 05 日 17:54:50:
回答先: 「事実ならおわび」 幹部の外交機密費流用疑惑で外相 投稿者 asahi.com/0105 日時 2001 年 1 月 05 日 15:57:31:
特別レポート
告発!! ワシントン生活を謳歌する
駐米高級官僚たちの時代錯誤
■冷戦時代が終わってはや10年。世界の潮流は「小さな大使館」
だ。米国も、中国も、韓国も……。
なぜ日本だけがいまだに「大きな大使館」を志向するのか。そこ
はまるで高級官僚の湯治場のようだ
米国の首都・ワシントンではこのところ、日本企業の撤退・縮
小の動きが相次いでいる。もともと情報収拾拠点の役割で商売に
直結しない場所だけに、商社や金融機関は本社のリストラ策に沿
ってスタッフを削減するなど、経費の切り詰めを余儀なくされて
きた。なかには日興リサーチのように、オフィスを閉鎖した企業
も少なくない。
それとは対照的に、ワシントンでますますプレゼンスを拡大し
ているのが、日本の官僚である。総勢140人からなる日本大使館
をはじめ、世界銀行・国際通貨基金(IMF)など金融機関、シ
ンクタンクに各省庁から大量に出向。ワシントンでの日本のプレ
ゼンスは、「民」が衰え、「官」が幅を利かす構図になってき
た。
特命全権大使は 現代の王侯貴族
長引く不況で疲弊する民間企業もどこ吹く風。税金をバックに
ワシントンを闊歩するわが国官僚の仕事ぶりと生活の実態を、国
民はよく知っておいた方がいい。
ワシントン北西部の高級住宅街、ネブラスカ通りにある駐米日
本大使公邸に一歩入ると、劣悪な住宅事情に耐え、税金をせっせ
と払ってきた日本人納税者は腰を抜かすだろう。
ソフトボールもできそうな広い緑の庭、鬱蒼とした樹木、テニ
スコートとプール、見事な日本庭園、そして宮殿のような建築。
邸内には寿司コーナーやてんぷらコーナーがあり、壁には、横山
大観、平山郁夫氏らの数々の名画。面積では、ホワイトハウスの
4分の3に匹敵するらしい。1977年に建設されたこの駐米日本大
使公邸は、ワシントンでは駐米サウジアラビア大使公邸と並んで
最も豪華と評判だ。
広大な公邸を維持するコックや庭師、門番、執事、警備員は日
本人と米国人を合わせて約10人。各地の日本大使公邸はいずこも
立派だが、まさに特命全権大使とは、「現代の王侯貴族」なので
ある。
警備の厳しい大使公邸
は、納税者といえども訪問するのは至難
の業である。ワシントンを訪れたある日本人が、この機会に大使
公邸を見せてほしいと大使館に電話で掛け合ったところ、「担当
が違う」「ほかを当たってほしい」と館内を回された揚げ句、
「事前に聞いていなかった」として拒否された。
当然ながら、各地の大使公邸は、外交活動の舞台ともなる重要
な場所。しかしワシントンで1、2を噂されるこの豪華な公邸が、
外交活動に十分利用されているかは、実は大いに疑問である。あ
るノンキャリア外交官によれば、公邸では、館員による麻雀大会
や外交官夫人らのブリッジ大会がよく開かれるが、米政府高官や
要人を招いた外交活動に有効に利用されているとは言い難いとい
う。
活動が掌握しにくい 在外公館の実態
現在の柳井俊二大使が率いる日本大使館は、外務省など各省庁
から送られてきた日本人大使館員が140人。そのほか現地採用者
も100人以上おり、総勢250人もの大所帯である。それが今で
も、外務省予算の増加で大使館員の数は毎年増加している。
「ジャパンイン」「ボンベイパレス」「ジーンルイス」といった
ワシントンの高級レストランでは、昼食時や夜、黒っぽいスーツ
を着たニッポン国外交官がよく見かけられる。「大使館の方だけ
で来られ、個室を利用して高い料理を注文されますから、大使館
の方は上客です」とは、ある日本レストランで働く日本人メイド
の証言だ。
さぞや、大使館内では話し合えない微妙な外交問題を調整して
いるのだろうと思いきや、「とんでもない。話題といったら本省
の人事だけです。彼らはだれがどこの大使になり、局長や課長に
なるのか情報交換だけですよ。われわれノンキャリア組は交際費
の使用に限度がありますが、キャリア外交官は自由に使えるよう
です」(あるノンキャリア外交官)。
こうした交際費は外務省の機密費から出ており、実態はなかな
かつかめない。かつて斉藤邦彦・外務次官時代の秘書官が、93年
から95年にかけて外交機密費2億円を事実上着服していたという
疑惑が「週刊ポスト」でスッパ抜かれたことがあるが、結局うや
むやになっている。
外務省は数ある省庁の中で、最も閉鎖的かつ批判を受けにくい
といわれる役所である。これは、外務省職員4400人のうち、在
外公館の職員が2700人に
上り、活動を掌握しにくいことが大き
い。特に在外公館の実態や給与制度、免税特権などは厚いベール
に包まれている。
それにしても、ワシントンの日本外交官の生活は、優雅の一言
に尽きるようだ。40歳の在外公館参事官クラスで、住宅手当や家
族手当、車補助など数々の手当を含めると、年収は2000万円を
超える。彼らは大抵、郊外の高級住宅地ベセスダ地区に住む。森
の中の家賃月額3000ドル(約32万円)以上の広大な邸宅であ
る。2台の乗用車を持ち、休日はテニスとゴルフ。平日は高級レ
ストラン通いで、仲間内の会食でも「機密費」から落とす――。
(以下、本誌をご覧ください。)