投稿者 2001年問題観察者 日時 2001 年 1 月 01 日 23:56:41:
無事に2001年になったので、そろそろ書き込み止めようか
量や頻度を減らして続けようか少し考えています。
話の種は前にも言ったように多すぎて困るくらいありますが、
それを読み解くコツは話したつもりですし、一々説明するのは
面倒なのでやる気がありません。
どうせわかってる人は言わなくてもわかっているし、
わからん人は言ってもわからない。
残りのほんの少数のボーダーラインの人には役に立つ
情報なのかもしれませんが、もう十分言ったような気もします。
で、書き込みを止めるかどうかは決めてないですが、
今後更に増加する色々な情報を手際良く処理するのに
少しは役立ちそうな事を書いておきます。
情報処理の基本
我々が目にする情報にはありとあらゆる種類のものが
存在しますが、ここで述べるのは人間が発した情報です。
人が何らかの情報を発信する場合、そこにはほとんど必ず
「意図」が含まれています。
この「意図」は、一つだけとは限りませんし、発した本人が
自覚しているとも限りません。
「意図」は、言い換えれば、その情報を受け取った相手が
どのように反応して欲しいかという願望と考えても良いでしょう。
情報を読み解く時には、この「意図」を感じ取るようにすると
効率が飛躍的に上がります。
なぜなら、一見まとまりのない情報でも、それを貫いて流れる
縦の「意図」があり、雑然とした横糸が絡まって一辺の
織物を形作っているからです。
私は中学生の時に国語の読解の問題を間違える事が
あったので、その解決法を探っていて「意図」を読み取るのに
慣れました。
出題者の質問と、原文の論理だけを見て正しいと思われる
答えを出しても、それが正解ではない場合が多かったのです。
これは、出題者が私と同じ物の見方をしていなかったからです。
そこで、出題者の物の見方を真似て考え、出題者が
どんな答えを望んでいるのかを類推する練習をしました。
その結果、それ以来読解問題では間違う事がなかったでし、
後で仕事や交渉を進める際にも大変役に立ちました。
もちろん、焦点がはっきりしている入試や模試の問題を
読み解くのと、もっと複雑な情報を読み解くのでは
まるっきり程度が違いますが、基本的な技能は共通です。
ともかく、「話者の意図やその流れと変化を押さえ、
それを手放さないようにしながら読み解く」と良いでしょう。
情報操作用の記事や書き込み、宣伝や広告を読むと、
「どう考えて欲しいのか」という願望が大変強く感じられるものです。
次に、「意図」が出てくる背景になっている話者の「価値観」を
再構築しながら読み解くとわかりやすいです。
手っ取り早く言うと、「何を強調しているか」に注意すると
話者が大事だ、重要だと考えている事柄が理解できます。
同時に、強調する事柄が肯定的に書かれているか、
否定的に書かれているかも見ておきましょう。
たとえば、「冷酷さ」を強調する文章があったとします。
この場合、話者は「冷酷さ」を重要視していると言えます。
また、「冷酷さ」を嫌悪しているのか、「冷酷さ」に陶酔
しているのかといった点も容易に読み取れます。
いずれにせよ、何かを殊更重要視するのは、その人の
注意がそこに惹きつけられているという事です。
「魅入られている」と言っても良いでしょう。
このように、何を重要視しているかを見てみると、
話者の好みや性向が浮かび上がって来て、情報を
読み解く参考になります。
なにしろ、最初に揚げた「意図」にせよ、話者の価値観で
大事だと思うから「意図」になるのですから。
情報操作用の記事などでは、論理的な面に重点を
置いたものと、感情面に重点を置いたものが見られます。
それは、話者の心が論理的か感情的かを反映してると
考えてもそれほど間違いではないでしょう。
つまり、感情的な人は読者に特定の感情を抱かせる事によって
操作しようと試みる傾向があるのです。
感情には嫌悪と好感の二方向がありますが、肯定的な
感情に訴えて操作しようとする時と否定的な感情に
訴えて操作しようとする例が見られます。
具体的には、読者が嫌悪したり恐怖するように操作し、
それに特定の情報を結び付ける事で、特定の考え方や
見方、行動を制限しようとしたりするものです。
ここでもちょくちょく使われているし、いわゆる「ネガティブ
モティベーション」という教育の方法と同じです。
「そんな事すると、鬼にたべられちゃうわよ」と
お母さんが叱るのも同じ原理です。(笑)
以上の二点、情報発信者の「意図」と「価値観」に注意しながら
読んで見ると新たな発見が得られるでしょう。
自分の考えた事、書いた事について、このような解読を
行なうと、論理や感情のもつれがわかって思考力が
高まる下地になります。
逆に言うと、思考力のない人は、どんな価値観に
基づいて
何を言いたいのか、自分でもあまりわかってない例が多いです。
情報操作の意図や植え付けたい価値観を理解してしまうと
情報操作にも免疫力がつきます。
ただし、上手な情報操作は、十分わかっていても
乗せられてしまうものです。
それ程見事な情報操作には、お目にかかる事は
あまりないですが。(笑)