投稿者 SP' 日時 2000 年 12 月 21 日 13:04:11:
KGB対米軍部の熾烈なる暗闘!
米国(超心理学,心霊現象研究) ┌透視 ┌GESP───┤ ┌ESP───────┤(複合ESP)└テレパシー │(感覚外知覚。 └予知 (遠感) Psi───┤ いわゆる超感覚) (超能力 │ 心霊現象)└PK (念動。いわゆる念力) ソ連(精神エネルギー学,精神生体物理学) |
軍事利用を目的とした超能力の研究を、ソ連が密かに行なっているのではないか。そしてひょっとしたら、すでにもうその一部は実用化されているのではないか、といった話は、一九六〇年代からあった。そしてこういった噂が流れるたびにソ連からは、超心理学(超能力の科学的研究)はソ連では異端であり、一部のモノ好きな学者が個人的に研究をしている例はあったとしても、国家当局は何の関係もない、という答が返って来た。
しかし、ソ連側のこういった主張がしばしば事実と異なることは、歴史が証明済である。
一九七七年六月、案の定、それを裏づけるような事件が起きた。
アメリカの大新聞『ロスアンジェルス・タイムズ』の通信員ロバト・チャールズ・トスが、超心理学の“国家機密”を入手しようとしたという疑いで、モスクワのKGB(国家保安委員会=ソ連の秘密警察・スパイ機関)に連れ去られ、尋問を受けたのである。彼は、アメリカ政府の抗議で間もなく釈放されたが、この事件は、ソ連には超心理学の“国家機密”がある、即ち、何らかの形で密かに超能力の研究を行なっているということを、KGB自ら天下に公表したのと同じことになってしまったのであった。
しかしそんなことは、わざわざKGBに公表していただかなくとも、アメリカの情報機関では、先刻御承知だったのである。
公開された機密文書
アメリカには「情報公開法」(FOIA)と呼ばれる法律がある。民主主義の原則により、作成されてから一定期間を経た公文書の中で、国防上の問題がないと認められたものは、一般に公開されなければならない、というものである。
一九七〇年代の末に、この法律によって、アメリカ国防省(ペンタゴン)と国防情報局(DIA)の手で、二つの極秘資料が明らかにされた。
その第一のものは、アメリカ国防省の要請で、一九七五年にアメリカ海軍医事諜報情報局、軍医部長課によって作成された『ソヴィエトとチェコスロヴァキアの超心理学研究』と題する七一ページの報告書である。筆者はジョン・D・ラモウト少佐とルーイス・F・メイア三世の二人で、ソ連圏の超能力の研究状況について、一九七五年四月一五日までにアメリカ軍部が知っていたことをまとめたものである。
第二のものは、『制御下攻撃行動──USSR』と言い、医学情報課、軍医部長課および陸軍省によって作成されたものである。筆者は第一の報告書の作成者の一人、ジョン・D・ラモウト。この一七五ページという大部な報告書は、一九七二年に書かれ、本来は一九九〇年まで機密扱いにおかれるはずのものであったという。そしてその前書きによると、この報告書作成のために筆者が使用を許可された「情報部の報告書〔複数〕」があるという。つまり、他にもまだ、超能力に関する未公開資料=機密資料が存在するというわけだ。
また一九七六年には、CIA(中央情報局)も、キャリフォーニア州トーランスにある民間のシンク・タンク「エアリサーチ製造会社」に依頼して、ソ連の超能力研究に関する情報の分析を行なっている。その報告書(一九七六年一月一四日付)の一部は、一九七七年にIEEE(アメリカ電気電子学会)の年次大会でエドワド・C・ワーツ博士ら五人の科学者によって発表され、それは後にチャールズ・T・タート博士他編の論集『解放された精神』(一九七九)にも収録されている。
これらの報告書には、どんなことが書かれていたのだろうか?
秘密を漏らして重労働!!
一九七四年春、モスクワの国際的に有名な超心理学者で工学的超心理学研究所長のエドワルド・K・ナウモフが、突然逮捕された。逮捕理由は、許可なく有料の講演会を開いたということだったが(実はナウモフ自身は料金をとっていたことを知らなかったという)、DIAの七五年の報告書の筆者たちは、本当の理由は別の所にあったと考えている。
翌年、拘置所の彼を訪れたやはり高名な女流心理学者ラリッサ・V・ヴィレンスカヤも、その二週間後に逮捕された。ヴィレンスカヤは、ナウモフとともに、ソ連の超能力研究資料の目録を作って、一九七二年にアメリカで発行した人である。このことが、二人の本当の逮捕理由を自ずから語っている。二人は、非同盟国の科学者たちと、親しくしすぎたのだ。
ナウモフは、強制労働二年という、表向きの逮捕理由にしては大変きびしい判決を受けた。
また、彼を強力に弁護したモスク
ワの物理学者レフ・レゲルソンまで逮捕されてしまった。
幸い西側の科学者たちの度重なる抗議により、ナウモフは翌年釈放された。一時期精神病院に強制収容されてしまったという説も流れたが、超能力や共産圏国家に関する客観的著作で定評のあるドイツ出身のアメリカのジャーナリスト、マーティン・エボンの著書『超能力戦略』(一九八三。邦訳『サイキック・ウォー』徳間書店)によると、そのようなことはなかったらしく、現在は時々迫害を受けながらも、精力的にソ連各地を講演してまわっているという。
ヴィレンスカヤも間もなく釈放されて、一九七九年にはイスラエル国籍を取得してソ連を出国することができ、その後アメリカへ渡ってサン・フランシスコにある超心理学研究機関「ワシントン研究センター」に所属して研究を続けている。
しかし、この事件の前後に公的な地位を失ってしまったという、私的に超能力の研究を行なっていた他の多くの科学者たちの消息は、よくわかってはいない。
とび交うニセ情報
ソ連は共産主義国なので、宗教の自由はきびしく制限されている。超能力の研究なども、宗教的だとして、かつてはあまり歓迎されてはいなかった。
ところが、一九六〇年に、アメリカ政府がウェスティングハウス社と協力して、世界初の原子力潜水艦ノーチラス号を使った超能力の実験に成功したという記事が、フランスのいくつかの雑誌に出た。これは後にデマであることがわかったが(実験が行なわれたという日には、ノーチラス号はニュー・ハンプシャー州ポーツマスのドックに入っていたのである)、これ以後ソ連でも超能力の研究が認められるようになったのである。ソ連の超能力の研究は、はじめから軍事的な理由で始まったのであった。
ソ連から発表される超能力の研究に関するニュースにはデマが多い、とDIAの七五年の報告書は注意している。お互いにくい違っていたり、できるはずのない実験に成功したというニュースまであるのだ。これは、ソ連の研究状況をかくすだけでなく、ニセの情報で他の国の研究を混乱させようとしているのだと考えられる。
かつて筆者(志水)が日本の有名な電子工学者S博士からうかがったところによると、他の国の研究者を買収してデマを流させ、その国の研究の妨害をさせたりしているふしさえあるという。
超能力テロリスト
CIAやDIAの報告書はいずれも、ソ連の研究者たちは、超能力が確かに存在すると考えているとしている。彼らの関心は、もう「存在するかどうか」ではなく、「どうしてそれが起こるか」とか「どうやればそれを上手く使えるか」ということにある。
すでに実用化の段階に向かっているのである。
日本のTVでも何度か紹介されたことがある強力なPK能力者、ネリヤ・ミハイロワの仮名でも知られるソ連のニーナ・クラーギナ(一九二〇年頃生)は、はなれたところから見つめるだけでカエルの心臓を止めてしまう実験に成功したと言われる。そして、DIAの七五年の報告書は、このような能力が「人間の標的に対して適用できるかも知れない」としている。
伝えられるところによると、彼女の能力を笑った立ち合いの科学者の心臓に、本当に圧力を加えることができたという。しかし皮肉なことに、その後間もなく、彼女自身がひどい心臓発作に襲われて、それ以後しばらくPKの実験ができなくなってしまったと言われ、事実、しばらく引退していたことがある。
だが、彼女以外にもソ連には、優秀なPK能力者が何人もいる。DIAの七五年の報告書に名前が出ているだけでも、アラ・ヴィナグラードワとボリス・エルモライエフの二人がいるのである。
もし非共産圏のどこかの国で、政治的に重要な人物が、急に心臓病で亡くなったとしたら、あるいはそれは、ソ連の超能力テロリスト(暗殺者)の手にかかったものかも知れない。もちろん、表面上は、過労のためといったことで処理されるだろうが……。
超能力兵器の開発
もし人工的に超能力のようなものを作り出したり、あるいは人間の超能力を強力に増幅したりすることができるようになったとしたら、それは軍事兵器として大きな価値を持つに違いない。
チェコの発明家で実業家の、ロベルト・パヴリタが開発した「サイコトロニク・ジェネレイター」と呼ばれる超能力発生器の存在は、そのような装置のヒントになるのではないか、とDIAの七五年の報告書の筆者たちは考えている。
パヴリタが作ったそれらの小さな装置は、ある種の古文書にヒントを得たものだと言い、彼がサイコトロン(精神子)と呼んでいる超能力エネルギーをたくわえることによって、PK的効果を発生させることができるのだ、と彼は主張している。さらに不気味なことには、彼の超能力発生器は、装置のねらいをつけるだけで、昆虫や小動物を殺すこともできるという。しかし彼は、その装置の実験を数回行なってみせただけで、欧米の科学者たちによる詳しい実験は許可しなかった。そこで、彼の主張がどこまで正しいのかは、本当のところハッキリしない。だが、DIAの七五年の報告書の筆者たちは、その可能性を無視してはいない。
七五年の報告書は語る。
「ポーランドのステファン・マンチャルスキー博士は、(中略)テレパシーは電波のように増幅できると考えている。もしそうなれば、テレパシーは、世界の『支配力』のかくれた新しい方法になるだろう」「人間意識の制御と操縦が(ソ連の超能力研究の)第一の目的だと考えられるのである」
もしそのような兵器が完成すれば、戦争で敵兵に戦う気分をなくさせてしまうこともできるだろうし、他の国の政治家や民衆を、自分たちに都合のよいように操ることもできるようになるかも知れない。また、特定の人物を暗殺してしまうことも不可能ではないだろう。
しかも、もしそのようなことが起きたとしても、証拠は全く残らないだろうし、それを防ぐ方法も、何一つ発見されてはいないのである。
狙われた? カーター大統領
一九七二年にソ連を訪問した後のニクソン大統領の側近たち(一説には大統領自身も!)、また一九七九年にブレジネフ書記長との条約調印のためにウィーンを訪れた後のカーター大統領には、精神的に不自然な変化があったことが指摘されている。特にカーター大統領は、人格が一変してしまったと言われている。
あるいは、彼らに対して何かサイコトロニクス兵器のようなものが、密かに使われたのではないか? そう考える人も、
決して少なくないのである。
もっとも、一九七四年には、ソ連物理学界の長老で代表的な超能力否定論者のA・キタイゴロツキー教授によって、パヴリタの装置のトリックが暴露されたという情報も流れている。しかしそれにもかかわらず、このサイコトロニクス兵器については、一九八一年初頭に一部が機密解除された米陸軍の研究報告『火力兵器援助作戦の分析』(FSMAA)の中でも、かなり真剣にとりあげられている。
一説によると、パヴリタの装置は、別の本当の超能力兵器の存在をカモフラージュするために囮として発表されたトリックなのではないかとも言う。
裏付けられた報告書の真実性
DIAの報告書が作成されてから数年後の一九七七年三月、一人のソ連人科学者がパリに亡命してきた。内分泌学の専門家アウグスト・スターン博士である。
出国を許可されるまで投獄されていた彼の語るところによると、彼は一九六七年から二年間、シベリアの超能力に関する秘密研究所で働いていたという。
海軍士官のヴィタリー・ペロフを所長とするその研究所は、一九六六年に開設されたもので、ノヴォシビルスクの科学都市にあった。正式名を「特殊部門第8号」と言い、表向きはソ連科学アカデミーのシベリア支部に属する自動化・電子計測研究所の一部門ということになっていた。
研究所は独立した建物で、ソ連各地から集められた研究所員は、全部で約六〇名。科学者には、必要な設備を整えるための資金が、ほとんど無制限に与えられ、それは何百万ルーブルにものぼっていた。
研究所では、動物や人間を使った様々な実験が行なわれていたが、一九六九年に突然閉鎖された。その後、レニングラードで研究が行なわれ、さらにKGBの指揮のもとに、モスクワに新しい研究所が設立されたという。
一九七四年に彼が耳にしたところによると、KGBの研究所以外、超能力の研究はすべて縮小されたらしい。また、「重要かつ極めて危険」なものが発見されたという噂も聞いた、と彼は語っている。
以上のスターンの証言が、それより以前に作成されたDIAやCIAの報告書の内容に、かなりよく一致しているのは興味深い。
たとえば、KGBの研究所に研究が統一されたとされている七四年には、ナウモフ事件が起きているのである。
また、DIAの七五年の報告書では、一九六八年までにソ連各地にいくつもの超能力研究所が設立され、一九七三年には二千万ルーブルが超能力の研究に使われたとしているが、これもスターンの証言に一致する。
やはりソ連では、本当に超能力の軍事研究が行なわれているのである。
戦いはもう始まっている!?
もちろん、超能力の軍用化を進めているのは、ソ連だけではない。
一九五二年一月七日付のCIAのメモが、やはり情報公開法によって公開されているが、そこにはCIAが超能力の利用に深い関心を持っていたことが、ハッキリと記されている。
この点一九八〇年に亡くなった“超心理学の父”元デューク大学教授のジョーゼフ・バンクス・ライン博士が、一九五二年に海軍のためにESP(透視やテレパシー等のいわゆる超感覚)実験を行なっていたと、死の数年前に告白していることを考え合わせると興味深い。
また一九五八年一一月三日の『ニュー・ヨーク・ヘラルド・トリビューン』紙は、ウェスティングハウス社がESPの研究を開始したことを伝えているが、前記のマーティン・エボンによると、例のノーチラス号の超能力実験の話は、この辺のことが誇張されて伝えられたものではないかという。つまり、ノーチラス号以外の潜水艦を使って、似たような実験が行なわれていた可能性があるというわけだ。
アメリカの一流雑誌『タイム』の記者、ジョン・L・ウィルヘルムが原子力委員会の防衛将校ロン・ロバートスンに聞いたところによると、表向きは別のあたりさわりのない名目で、三〇〜四〇の超能力の研究が行なわれているという。
超能力者ユリ・ゲラーの研究を行なったことで有名なキャリフォーニア州の科学研究機関、「スタンフォード研究所」(現在のSRIインターナショナル)が、海軍から四万七〇〇〇ドル(約一二〇〇万円)の資金援助を受けて、さらに本格的な超能力の研究を行なっていたことも、現在では公然の秘密となっている。
ヴァージニア大学の心理学者、ロバト・ヴァン・ドゥ・カースルによると、一九七二年に二人のCIA職員が彼の所をたずねて来たことがあったという。彼らはソ連が超能力でアメリカの軍事機密を盗み出せる可能性について問い合わせて来たのだが、彼らがあまりに超心理学の最新事情に詳しいので、ヴァン・ドゥ・カースルは非常に驚いたそうだ。
見えざる戦争
陸軍の専門誌『ミリタリー・レヴュー』の一九八〇年一二月号は、ジョン・B・アリグザーンダー中佐の『新たな心の戦場』という八ページの長文の記事を載せ、実際にアメリカ軍部では超能力が真剣に考えられていることを明らかにした。
翌年、有名なジャーナリスト、ジャック・アンダスンがアメリカの一流新聞『ワシントン・ポスト』紙等で明らかにしたところによると、すでにアメリカには一九七六年以降“超能力部隊”らしきものまで存在しており、海軍は三四人の超能力者にソ連の潜水艦の動向を探るように依頼していたという。また、ソ連の超能力兵器対策のための研究に、年間約六〇〇万ドル(約一四億五〇〇〇万円)もの国家予算が組まれているという。
さらに今年の春に『ワシントン・ポスト』でアンダスンが明らかにしたところでは、CIAは「グリル・フレイム」という暗号名で遠隔視(リモート・ヴューイング=遠方の風景を“視る”超能力の一種)の実験を行ない、七〇パーセントの成功を収めたという。そしてこの実験を担当したのは、かつてSRIでユリ・ゲラーの実験を行なったハロルド・パソフ博士とラッセル・ターグであったという!!
ソ連が、すでにアメリカや、その同盟国(その中には当然日本も含まれている)に対して、密かに超能力による攻撃をしかけている可能性は、大いにある。前記のアンダスンによると、米軍部は、その攻撃を防ぐための研究をすでに始めているという。
アメリカのSF作家で、超常現象研究家としても有名な、故オットー・O・ビンダーは、このことを早くから警告していた。一九七一年に書いた文章の中で彼はこれを日本が宣戦布告前に奇襲を行なった太平洋戦争の真珠湾攻撃になぞらえて「超能力パール・ハーバー」と呼んでいる。
第三次世界大戦は、超能力による「見えざる戦争
」という形で、もう始まっているのかも知れないのである。