投稿者 ひろむちゃん 日時 2000 年 11 月 10 日 21:57:39:
自民党加藤派会長の加藤紘一・元幹事長は十日、森首相の退陣を求め、受け入れられない場合は、民主党など野党四党が提出を予定している内閣不信任決議案を採決するための衆院本会議に欠席する可能性を示唆した。
加藤、山崎両派や、河野グループの若手議員などには加藤氏と同調する声が出ている。これに対し、橋本、森、江藤・亀井などの主流各派と公明、保守両党は森政権を支える方針で、不信任案への対応をめぐり、政局が一挙に流動化する可能性も出ている。
加藤氏は十日午前、森派会長の小泉純一郎・元厚相と電話で会談し、「国民の75%が反対している内閣に、『自民党議員だから不信任案に反対する』とは言い切れない」と述べ、不信任案に同調する可能性を示した。
また、十日夕、福岡空港で記者団に対し、「(衆院)本会議に出席して、すんなりと(不信任案の否決を)やることができるか、互いに考えてみようということだ」と述べた。
加藤氏はこれまでも景気刺激を重視した首相の経済政策などを厳しく批判してきた。中川秀直・前官房長官更迭問題などを受けて内閣支持率が低迷するなか、加藤氏としては、森政権で来年の参院選に臨めば、自民党が惨敗するのは必至だとして、首相の退陣を求めたものだ。
加藤氏は十日夜、福岡市内で、山崎派会長の山崎拓元政調会長と会談し、不信任案への対応などで同調するよう求める見通しだ。
これに対し、森首相は十日、首相官邸で記者団に「補正予算案をきちんと仕上げていくことが重要だ」と述べ、臨時国会乗り切りに全力を挙げる考えを強調した。
野中幹事長は十日午後、記者団に「今、政権を取ろうとして党内で抗争する時期ではない。自民党は一致結束して国会を乗り切ることが一番大切だ」と述べ、加藤氏の対応を批判した。さらに、野中氏は江藤・亀井派会長の江藤隆美・元総務庁長官に電話で、不信任案が可決されたら、森首相が衆院解散に踏み切る可能性があることを伝えた。
橋本派や江藤・亀井派などの主流派はそれぞれ幹部らの会合で、不信任案を否決し、森政権を支えていく方針を確認した。また、主流派は十一日夜、会長クラスによる会合を開き、事態乗り切りに向け、結束を固めるとともに、多数派工作を進めるものとみられる。
連立政権を組む公明党の神崎代表は十日、記者団に対し、「今の段階では公明党として不信任案に反対する」と述べた。保守党の扇党首も森政権を支持する意向を強調した。
一方、民主党の菅幹事長は十日の記者会見で、「加藤氏の行動が広い範囲に拡大するのか、見極めたい。いろいろなケースを想定しないといけない」と述べ、加藤氏との連携を模索する考えを示した。野党は不信任案の提出時期の前倒しを検討する方針だ。
衆院の勢力は、自民、公明、保守の与党三党で、過半数(二百四十一)を上回る二百七十二議席を占めている。仮に、加藤派四十五人が本会議を欠席すれば、過半数は二百十八議席となり、山崎派(十九人)と他派閥などから同調者が出れば、不信任案は可決される可能性がある。
(11月10日21:46)