投稿者 11月8日毎日 日時 2000 年 11 月 09 日 11:23:30:
<宇宙開発政策大綱>修正する報告書案まとめる 国の宇宙開発委(毎日新聞)
宇宙開発のあり方を検討している国の宇宙開発委員会の基本戦略部会(長柄喜一郎・部会長)は8日、宇宙開発の根幹となる「宇宙開発
政策大綱」を修正する報告書案をまとめた。H2ロケットの打ち上げ失敗などの反省から「我が国には総体としての技術力が十分備わって
いるとはいえない」と分析し、衛星やロケットなどの各プロジェクトについて、並列的に位置付けていたのを見直し、日本が得意とする分
野を重点化して取り組むことなどを求めている。
報告書案は、日本の宇宙関連技術は「過去の技術開発の過程で得られたデータやノウハウの蓄積と、次の世代への継承が十分でなかっ
た」と指摘し、技術基盤の強化を最大の課題の一つに挙げた。失敗を繰り返さないために、主要なプロジェクトを進ちょく状況に応じて
「研究」「開発研究」「開発」「運用」の4段階に分け、折り返し点に当たる「開発」段階には外部からの多角的な評価を受けた上で進む
ことを提案している。
さらに、衛星に搭載される電子機器の小型化やロボットを使った遠隔操作技術など日本の「お家芸」の技術分野を重点的に強化し、欧米
の後追いではない開発能力の確立を求めている。
また、審議の過程では、開発中の情報収集衛星に関連して、「安全保障の観点を宇宙開発の目的に取り入るべきだ」との意見も出された
が、報告書案へ盛り込むことは見送られた。
報告書案は同部会の上部組織の宇宙開発委員会に報告される。了承されれば、1996年に策定された現在の「宇宙開発政策大綱」を、
約10年ごとの見直し前に修正する内容として位置付けられる。 【金田 健】
[毎日新聞11月8日] ( 2000-11-08-21:34 )