投稿者 波多利郎 日時 2000 年 11 月 01 日 14:38:10:
回答先: 今週の一枚:パンテックスプラント(FAS) 投稿者 衛星屋 日時 2000 年 11 月 01 日 12:46:24:
ロス・アラモスで作った二つ目が広島、三つ目が長崎へ
事のついでですから、核兵器を作る手順についてお話しします。表4はアメリカの施設の表で、1985年のものですから従業員の数など
が古いデータのままですが、設備としては今でも同じで、どうやって今後閉鎖するかという話になっています。
一番上にあるのがロス・アラモス、ローレンス・リバモアという、どちらも核爆弾の設計開発の場所です。ロス・アラモスは、ご承知
だと思いますが、オッペンハイマーが原子爆弾を最初につくったところで、1発目がネバダの砂漠で行ったトリニティ核実験です。2発
目が広島に落とした爆弾、3発目が長崎へ落とした爆弾です。
それから、エドワード・テラーが水爆を開発するときに、ロス・アラモスに反発してというか、オッペンハイマーに反発してという
か、新たにカリフォルニアにつくったのがローレンス・リバモアで、この二つが順番に核兵器の設計を行っています。
ワシントン州のハンフォードとサウスカロライナ州のサバンナ・リバーでは、プルトニウム生産炉、アメリカの場合重水炉ですが、そ
こでプルトニウムと水爆用のトリチウムを作っていました。
次のコラムの3カ所、オークリッジ、パデューカ、ポーツマスはウラン濃縮工場で、1950年代の初めを目指して、せっせと大きな工場
を作ったら、その前に水爆ができてしまって、いらなくなったという有名な工場で、完成してからフル稼働したことはないのではないか
といわれております。日本の原子力発電所が使っている濃縮ウランで、アメリカで濃縮された分はこういう工場で濃縮した分です。
オークリッジには、高濃縮ウランを加工するところがあります。ロッキー・フラッツはプルトニウムを球形に仕上げる工場のようで、
時々プルトニウムの蒸気が外へ流れ出して、コロラド州の羊がプルトニウムを食べて汚染されているとか、色々なうわさのあるところで
す。
あとは、最終組み立てが、先ほど言いましたテキサス州のアマリロにあるパンテックス・プラントで、ここで最終組み立てをします。
ネバダの核実験場、これは二つあり、昔は地上実験を行っていましたが、現在では全部地下実験になっています。