投稿者 10/31 毎日 日時 2000 年 10 月 31 日 18:46:26:
少年法改正案:衆院を通過、今国会成立へ 14歳以上に刑事罰
刑事罰対象年齢の引き下げなどを柱にした少年法改正案は31日午後、衆院法務委員会で採決され、自民、公明、保守の与党3党と、民主、自由両党などの賛成多数で可決した。ただちに衆院本会議に緊急上程されて可決した。参院に送付され、今国会で成立する見通しとなった。民主党は、修正案を出し与党案には反対していたが、国民世論への配慮などを理由に賛成することを決めた。これに同党委員が強く反発したため、委員3人を差し替え、採決の際に1人が退席した。本会議でも約10人が欠席、退席した。改正案は、少年による凶悪事件が相次いだことを受けたもの。(1)刑事罰対象年齢を現在の「16歳以上」から「14歳以上」に引き下げる(2)16歳以上で殺人など重大犯罪を犯した場合は、原則として身柄を家裁から検察に戻し(逆送)、成人と同様に刑事裁判を受けさせる――など、少年犯罪に厳罰化で対応するのが特徴だ。
少年法は1948年の制定以来、「保護主義」の理念を掲げてきたが、今回の改正で大きく様変わりしそうだ。
改正案はまた、検察側に対し、少年審判への検察官出席や、審判に不服がある場合の高裁への抗告受理申し立て権を新たに認める。被害者対策として、家裁判事への意見表明権や、審判記録の閲覧にも踏み込んでいる。
法務委員会は当初、参院選挙制度改革をめぐる国会の混乱で、野党側が審議を拒否。与党だけで審議を進めたが、正常化後は野党も審議に加わった。審議では野党は「厳罰化は少年法の理念に反し、犯罪予防にもつながらない」などと指摘し、民主党は刑事罰対象年齢の引き下げを「社会的影響の大きい重大事件で、少年の矯正の可能性が乏しい」ケースに限定するなどの修正案を提示した。
少年法をめぐっては、法務省が先の通常国会に少年審判への検察官出席などを認める改正案を提出したが、衆院解散に伴い廃案になった。与党3党は議員立法で成立を急ぐことで一致し、改正案を今国会に提出した。