投稿者 11/27 朝日 日時 2000 年 10 月 27 日 13:42:47:
防衛庁が52人を処分 自衛隊秘密情報漏えい事件
自衛隊の秘密情報がロシア側に漏えいしていたとされる事件で、防衛庁は27日、独自の調査結果をまとめ、海上自衛隊三佐の萩崎繁博被告(38)=自衛隊法違反の罪で起訴=を懲戒免職するなど計52人の処分を発表した。虎島和夫防衛庁長官も責任を取る形で、自主的に給料の5分の1(1カ月)を国庫に返納する。米軍情報の一部が流出していたことを認めたうえで、今後の対策として防衛庁は同日、秘密保全体制の強化策を盛った報告書を国会や各政党に示した。
処分は、佐藤謙防衛事務次官、海上幕僚長の藤田幸生海将を減給10分の1(1カ月)、防衛局長や当時の直属上司である元海幕調査部長で現舞鶴地方総監を戒告。このほか、訓戒18人、注意13人など処分者の合計は52人となった。
調査結果によると、今年6月30日に萩崎被告はロシア側へ、中級幹部課程で使用される教本「戦術概説」や中期防衛力整備計画に反映される「将来の海上自衛隊通信のあり方」の秘密文書2点を手渡した。また、昨年10月から今年8月までの間に防衛研究所の組織図など数10点を求めに応じる形で手渡し、現金58万円を受け取っていた。自宅からは、中国や朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の軍事情勢を分析した「極秘」文書など42点、「秘」文書130点が見つかった。これらは、すべて持ち出し禁止となっている。
防衛庁は、流出した情報の中には米軍情報も入っていたことを認めた。さらに、秘指定となっている「戦術概説」を海自幹部21人がコピーしていたことを明らかにし、関係者を処分した。(12:57)