「景気は今がピーク、年内に後退」の声(夕刊フジ)

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投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 10 月 26 日 09:20:10:

消費は依然低迷−。日本チェーンストア協会が24日発表した9月の全国売上高は、前年同月比7.6%減の1兆2258億円となった。前年割れは22カ月連続と過去最長記録に並ぶトホホ記録。政府は景気が回復局面にあるという姿勢を崩していないが、設備投資とともに景気の両輪といわれる個人消費がいまだ“深い谷”にあることが再確認されたわけで、政府と庶民の景気認識のズレが大きくクローズアップされることになりそうだ。エコノミストの一部からは「景気はいまが山(ピーク)なのではないか」といった声すら出はじめているのだが…。
同協会は、前年割れが続いた理由について、不透明な景気の先行き、雇用不安、新興衣料品専門店との競合激化、野菜相場安などを指摘。「10月もプラスに転じるのは難しい」としている。同時に発表された日本百貨店協会は、前年同月比1.0%増と7カ月ぶりにプラスに転じたが、その理由は「相次ぐ閉店セール効果」という情けなさ。「景気回復なんて信じられない」という主婦の声もうなずける。
にもかかわらず、政府や日銀の指標は、回復色ばかりが目立つ。
経済企画庁が9月に発表した今年4−6月の国内総生産(GDP)は、前期比実質1.0%増、年率換算4.2%増。前期比でプラスとなるのは2カ月連続だ。同庁が10月5日に発表した8月の景気動向調査では、景気判断の現状を示す一致指数が85.7%となり、景気判断の分かれ目となる50をクリア。50を上回るのは16カ月連続で、バブル期の17カ月連続に次ぐ記録だ。
一方、日銀も今月、3カ月に一度の「短観」を発表。こちらも企業の業況感を示す業況判断指数が改善した。数字の上では景気の「自律的な回復に向けた動き」を裏付けた形ではある。
しかし「政府の見解には同意できない」と指摘する声は多い。
ある民間シンクタンクの研究員は「企業業績が回復したといえるのは、大企業の製造業に限られている。反対に中小の非製造業は厳しくなっていて、ここが良くならないうちは、景気回復とはいえない。いいとされている大企業もIT(情報技術)や半導体パソコン関連が頭打ち。景気の先行指標とされる株価の低迷も、市場参加者が景気の先行きに懸念をもっていることの証拠」という。
明海大学の高橋乗宣教授は経済誌「エコノミスト」の中で「下期の日本経済は急降下する」と予測、メリルリンチ証券債権ストラテジストの小林益久氏も「景気の転換点が年内に訪れる公算が高いとの確信を深めている」と指摘している。両者とも外需の低下を主因に掲げている。
また、三和総合研究所の沢井亮副主任研究員は「景気がゆるやかに回復しているという部分には同調する」としながらも、「今後、足踏みの局面がありうる」と言う。
「なにしろ不安材料が多い。中堅生保の相次ぐ破たんで心理的によくないし、パソコン需要の世界的な一服感も日本に悪影響をもたらすと思う」(沢井氏)
さらに、日本総合研究所の藤井英彦主任研究員は、「中東情勢次第では、米国経済経由でアジア経済が打撃を受け、日本経済に強いダメージを与える。目下の最大の不安」と指摘。いずれにせよ、日本経済は不安だらけ、ということだ。
こんなに不安を抱え、庶民感覚からは決してよくない日本経済を、なぜ政府は「回復」と言うのか。
前出の藤井主任研究員政府が説明する。
「それは、政府が『実質』で景気を語るのに対し、庶民の景気の実感は『名目』だから。簡単に言えば、クルマが去年より1台余計に売れれば、景気が回復したと判断する。これが政府のとる『実質』の議論。しかし、1台当たりの値段が大きく落ち込んで、去年より1台ぐらい余計に売れたところで、実入りが増えない状況であれば、景気回復とはいえない。これが『名目』の議論。政府の統計は実質、名目の両方を公表していて、実質に比べて、名目の数字は低い。政府見解と庶民見解の違いはそこから来ると思われます」
確かに、4−6月のGDPは実質1.0%増だったが、名目は0.4%。個別項目を見ても、たとえば国内民間需要が実質0.2%増であるのに対し、名目では反対に0.2%の減にとどまるなど、名目値はすべて実質値を下回る。政府はもっと庶民感覚を重視して、名目で景気を判断すべきではないか。
マクロ経済のエコノミストの一部には「政府は、景気の実態を判断するには、価格要因を取り除いて評価すべき、との意見が強い。そのために実質成長率で議論するのだが、もっと庶民感覚を大事にする姿勢が必要だ」と批判する声もある。
さらに、ある経済ジャーナリストはこうも指摘する。
政府は経済対策を策定して、補正予算を編成するためには、補正が必要な環境を演出する必要がある。月例経済報告がいまだに『自律的回復に向けた動きが続いている』などという煮え切らない表現を使っていたり、堺屋太一長官が、GDPを公表したあとの会見で、中身は数字ほど良くない、などと矛盾する発言をしてみたりとチグハグなのも、経済対策のための舞台準備とみていい。日銀が7月の金融経済月報で事実上の景気回復宣言をしたのは、ゼロ金利を解除したいからで、事実8月に解除した。それぞれに政治的な思惑がある」
これについて、別の民間シンクタンクのエコノミストは「政治的なバイアスが働くほど余裕があるとも思えない」と否定するが、ただ次のように付け加えた。
「そういう話が出るくらい、景気回復話に信用がない、ということ。これはつまり、統計も、政府も信用できないということ。数字のうえでの景気回復より、こっちのほうが重要な課題かもしれません」



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