投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 10 月 24 日 11:18:15:
2000.10.24 Web posted at: 8:23 AM JST (2323 GMT)イスラエル・エルサレム(CNN)
イスラエルのバラク首相が22日に発表した中東和平交渉からの「一時離脱」宣言などでこう着状態に陥っているパレスチナ情勢は23日、イスラエル治安部隊との先週の衝突で負傷していた十代のパレスチナ人2人が死亡、先月下旬に激化していた騒乱の犠牲者は、病院などによると計135人となった。イスラエル軍は、住宅地への銃撃拠点とみなしているエルサレム南部にあるパレスチナ自治区ベイトジャラの完全包囲も発表した。住民の避難を警告、戦車も出動させる臨戦態勢を取っており、同自治区への攻撃が今後本格化する恐れも出ている。
イスラエル軍は22日夜、激しい発砲があったとして、武装ヘリなどによる機関銃、ミサイル攻撃をベイトジャラに加えていた。パレスチナ人側に負傷者が出た模様だ。
イスラエル政府はまた、ガザ自治区にある国際空港の再封鎖も実施し、パレスチナ側への圧力を強めている。同空港は10月初旬、周辺で発生した発砲事件を理由に閉鎖され、エジプトでの緊急6者首脳会談の暴力停止宣言を受け、同18日に再開されていた。
挙国内閣の行方
一方、バラク首相は、中東危機を乗り切るための非常時内閣結成を目指し、最大野党の右派リクードなどの各党の公式折衝を開始した。しかし、リクードのシャロン党首との会談では合意にたどりつけず、結論は24日の話し合いに持ち越された。物別れに終わった理由は不明だが、シャロン党首は会談後に「首相が示した非常時内閣の青写真が受け入れ難いものだった」と述べた。
挙国内閣は、少数議席しか保持しない与党に支えられたバラク首相の政権維持工作との見方もあるが、パレスチナ側に対する強硬路線を主張するリクードが非常時内閣に取り込まれれば、中東和平交渉が大幅後退する可能性もある。挙国内閣での和平交渉責任者の選定とバラク首相の指導力とのかね合いをどう調整するかの問題も未解決のままだ。
また、リクードのシャロン党首はエルサレム旧市街にあるイスラム教の聖地を訪問し、一連の衝突事件の原因を作った人物だけに、同党首の入閣がパレスチナ人の反発を強めることは必至となっている。