投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 10 月 22 日 13:11:30:
回答先: アラブ首脳会談の日にもパレスチナ人5人が死亡(日本経済新聞) 投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 10 月 22 日 13:01:51:
【カイロ21日=村上大介】
パレスチナ自治区で続くイスラエル軍とパレスチナ人の深刻な衝突について協議する緊急アラブ首脳会議が二十一日、カイロで二日間の日程で開幕した。米国が仲介した「停戦合意」が事実上崩壊し、イスラエルのバラク首相が二十日、中東和平プロセスの中断を警告する中、各首脳は激しいイスラエル非難演説を行い、二十二日に採択される共同声明では、国連によるパレスチナ人保護や「イスラエルの戦争犯罪」を裁く国際法廷設置などの要求が盛り込まれる見通しが強まっている。
エジプトのムバラク大統領は会議冒頭、「和平は力で押しつけられるものではない。公平さとバランスが必要だ」と述べ、イスラエル寄りの米国がパレスチナ側に不利な譲歩を強いようとしていることを間接的に批判。これに続き、アラファト・パレスチナ自治政府議長は、パレスチナ人を中心に百十人以上の死者を出した衝突は「虐殺行為だ」と強い言葉でイスラエルを非難、「勝利の日まで闘争は続く」と宣言した。
また、親米穏健派サウジアラビアのアブドラ皇太子も、米国の仲介はイスラエル寄りだと非難し、「和平プロセスを助けるために結ばれた対イスラエル関係は凍結すべきだ」と、異例の強い調子で呼びかけた。一九九三年のオスロ合意後に利益代表部や連絡事務所を設置したオマーンやモロッコ、チュニジアなどに関係凍結を呼びかけたものとみられる。
共同声明草案では、パレスチナ人救済のための基金創設などパレスチナ支援措置が盛り込まれたほか、「国連安全保障理事会と総会がイスラエル占領下にあるパレスチナ人の保護を保障する」として国際監視団の導入を要求。さらに衝突の真相究明のための調査委員会を米主導ではなく国連主導で設置し、ユーゴスラビアやルワンダにならった国際戦犯法廷でイスラエルを裁くよう要求している。
ただ、こうした措置は米国の拒否権行使で実現の可能性は少ないが、シリアやレバノン、スーダン、イエメンなどが対イスラエル経済制裁(アラブ・ボイコット)復活など実効性のある制裁措置を求めており、最終声明で、外交関係凍結や経済制裁実施がどこまで打ち出されるかが焦点となろう。
イスラエルと和平条約を結び、米国とも密接な経済・軍事関係にあるエジプトやヨルダンなどアラブ穏健派は具体的な制裁措置に踏み込むことは避けたい意向であり、共同声明をめぐってはさらに調整が続きそうだ。
今回の首脳会議は、一九九六年以来四年ぶりで、九一年の湾岸戦争以来二回目。アラブ連盟加盟のアラブ二十一カ国とパレスチナ解放機構(PLO)の元首級が出席し、湾岸戦争以来初めて出席したイラクはイブラヒム革命評議会副議長を送った。