環境ホルモン、ごく微量で妊娠初期に影響(讀賣新聞)

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投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 10 月 22 日 00:19:47:

妊娠初期に、ごく微量の環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)の一種、ビスフェノールAにさらされただけでも、子供の成長過程が促進されるなどの影響が出ることが、東京大医学部産婦人科、堤治教授らのマウスの実験で、二十一日までに明らかになった。極微量の環境ホルモンの影響の有無は、世界中で論争の的となっているが、現在、人間の体内に存在するビスフェノールAより低い濃度でも影響が現れることが確かめられたのは初めて。近年、女児の月経時期が早まるなど、子供の早熟化が進んでいるが、堤教授は環境ホルモンとの関連を調べる必要があると警告している。十一月二十三日から神戸市で開かれる日本不妊学会で発表される。
ビスフェノールAは、合成樹脂や缶詰塗料などの原料で、一日数グラム以上が体内に入ると、女性ホルモンに似た生殖毒性が現れるとされる。日常生活の中でも微量摂取しており、人間の卵胞液や羊水中にも通常、一ミリ・リットル中に、一〜二ナノ・グラム(ナノは十億分の一)あることが確認されている。
堤教授らは、マウスの初期の受精卵に、人間の体内濃度の五〜十分の一というごく微量(一ミリ・リットル中に〇・二三ナノ・グラム)のビスフェノールAを加えて培養。母胎に戻して、生まれたマウス三十匹の生後の体重変化を調べた。その結果、離乳時期に当たる生後二十一日目の体重は約十三・六グラムで、ビスフェノールAを加えずに育てたマウス(約九・九グラム)に比べて、明らかに成長が早かったという。
化学物質の毒性は、濃度が低くなれば無視できるというのが常識だが、数年前から、この物質はこれまで無視されてきた、安全基準値の十万分の一という極低濃度でも、マウス胎児の前立せんを肥大させたり、生殖器形成に影響を与えるとする報告が、国際環境ホルモン学会(環境庁主催)などで発表され、各国の研究者の関心を集めている。
堤教授は、「月経が始まる時期が早まっていることと、子宮内膜症の患者増加に関連がないか疑われているが、この物質が問題の一因になっている可能性があり、さらに研究を広げる必要がある」と話している。
(10月21日14:32)



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