投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 10 月 20 日 12:47:16:
By Stefanie Olsen/日本語版 喜多智栄子
Wed 18 Oct 2000 14:20 PT
ウェブサーフィンをしているときにもう少しプライバシーが欲しいなら、ウェブブラウザーを立ち上げるのと同じぐらい簡単にこれを可能にしてくれる、新しいサイトがお勧めだ。
米セーフウェブ(本社カリフォルニア州バークレー)は18日(米国時間)、雇用者、オンライン・マーケティング企業、ウェブサイト、政府などが利用する追跡機能から逃れたいと考えているウェブサーファー向けの無料サービスを開始した。
ウェブサイトは一般に、コンピューターを識別するIPアドレスを使って消費者がどこからやってきたかを正確に突き止めることができる。その消費者があるサイトをどれくらい頻繁に訪問するのか、そのサイトの前にはどのサイトにいたのか、さらには、買物といった特定の操作を行ったかどうかを追跡することができる。
セーフウェブは、このような「データの流出」を暗号化して、消費者が監視されずにウェブサイトをサーフィンできるようにする。消費者は、このサイトにログインして、セーフウェブのサイトからウェブアドレスを入力する。そうすると、目的のサイトが別の安全なウィンドウで立ち上がり、消費者はその時点からプライバシーを確保できる。
ただしセーフウェブを利用する消費者が、個人情報を要求するフォームに記入した場合、その情報は、普通にブラウザーを利用した場合と同じように記録される。
「私たちのサーバーは媒介者の役割を果たすもので、他の誰も理解できないコードでユーザーのコンピューターと交信する」とセーフウェブの最高経営責任者(CEO)スティーブン・シュー。「セーフウェブを利用しているユーザーを監視する誰もが、追跡を諦めざるを得なくなるだろう」
シューは「IPマスキング」と呼ばれる技術について、次のように述べた。「ウェブサイトはあなたが誰なのかを知ることができないし、あなたの会社は、あなたがどのサイトを訪問しているのかを知ることができない。彼らが手に入れられるのは、情報を暗号化したパケットのみだ」
これと同じことを行なうためのプログラムが過去1年の間に、他にも数多く発表された。
プライバシーの専門家リチャード・スミスをはじめとする著明な推薦者のお墨付きを得て先月創立された米アイプライバシー(iPrivacy)は、消費者がウェブ上で買物をしている間、ユーザー情報の秘密を維持する新興企業だ。加ゼロナレッジ・システムズ(Zero-Knowledge Systems)の『Freedom』、米アノニマイザー・コム(Anonymizer.com)、米プロキシメイト・コム(Proxymate.com)なども、ウェブ上で個人情報をマスクすることをねらっている。
このような技術の市場は、ウェブのプロファイリング(利用者分析)慣習に対する懸念が高まったため、この1年で爆発的に拡大してきた。インターネット企業でもプライバシー方針を強化しており、一部の企業では、企業が掲げている指針が確実に業界の現行標準に準じているかどうか、独立した監査役を雇って監視している。
しかしウェブを始めたばかりの消費者は、オンライン上で自分のプライバシーが危険にさらされていることを理解するのはもちろん、どうやってプライバシーを守るかについて今から学んでいかなければならない。今日利用できる技術の落とし穴の一つとして、多くの消費者が、ソフトウェアをダウンロードしてそれを機能させるだけの技術的な専門知識が欠けていると諦めていることが挙げられる、とプライバシー擁護者たちは述べている。さらにこのようなサービスに対して料金を支払わなければならない場合、利用を思いとどまってしまうおそれもある。
セーフウェブは、利用しやすいサービスによって、インターネットを始めたばかりのユーザーや、広告主を惹きつけることができると大きな期待を寄せている。同社は、サイト上の広告スペースを販売することによって利益を上げる計画だが、消消費者行動を記録したり追跡したりすることはなく、その場に応じて広告を出す。たとえば、匿名のサーファーが車のサイトを訪問しているとしたら、フォルクスワーゲンの広告を目にすることになるといったような仕組みだ。
このソフトウェアは、オンライン・プロファイラーが追跡目的で設定した、いわゆるクッキーも遮断する。ただし、パスワードや個人設定を記憶する目的で利用される場合に、電子タグの利用は許可する。
さらにセーフウェブは、消費者が自分のプライバシー設定を独自にカスタマイズできるようにしたり、どのサイトがコンピューターにクッキーを置こうとしているかをウェブサーファーに通知したりする。
同社は、ニューヨークの投資グループ、米キングドン・キャピタル・マネージメントおよび米チルトン・パートナーズから、800万ドル近い資金を調達した。