投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 10 月 20 日 12:25:22:
2000.10.19 Web posted at: 5:56 AM JST (2056 GMT)ウガンダ・グール(AP)
エボラ出血熱の発生が確認されたアフリカのウガンダ共和国のグール村や最初の犠牲者が出たカベデ・オポング村では、感染拡大を食い止めようと、地元当局の保健指導員が村の家を回り、新たな発症者の発見や感染予防の指導などに回っている。グールではこれまでに39人が死亡、さらに57人に感染の疑いがもたれている。世界保健機関(WHO)の専門家も18日、調査と助言のためにグールに到着予定だ。米疫病管理予防センター(CDC)も17日、感染阻止の支援を行うためにウガンダに向かった。
エボラ出血熱は、あらゆる形態での体の接触によって感染するといわれている。保健指導員は軍によって配布されたゴム手袋を二重につけ、手製のマスクをするなど、厳重な予防対策を取っている。しかし、感染予防の対策用品の供給は十分ではなく、地元の仕立て屋で作った白衣のようなものを身につけたり、中にはまったく何も身につけずに村を回っている指導員もいるという。
グールは首都カンパラから北へ360キロの町。地元の保健当局がこれまで確認したところによると、グールでの最初の犠牲者は9月7日ごろに死亡した主婦と判明している。遺体は地元の伝統儀式に則り、家族や友人によって清められたあと、埋葬された。この主婦の娘と母親が、グールでの二番目の犠牲者となった。こうした感染経路で、遺族や会葬者の間に被害が広まったとみられる。しかし、最初に死亡した主婦の感染源は、いまだに分かっていない。グールでは現在、葬式への出席や遺体の洗浄をはじめ、握手することさえも禁じられている。
ウガンダ当局に協力して感染源の解明に務めている世界保健機関(WHO)のネストール・ンデイミリエ博士(疫病学)は、「24時間ごとに約10の発症例が新たに確認されている」と恐るべき感染のスピードを証言している。
エボラ出血熱の感染検査が可能な設備があるのは、アフリカ大陸では南アフリカだけ。そのため、保健指導員は下痢や嘔吐(おうと)など風邪に似た症状を訴える患者には、すべて隔離処置を取っている。
エボラ出血熱はこれまで、コンゴ、スーダン、象牙海岸、ガボンでの発症例が報告されているが、ウガンダでは今回が初めて。最初の犠牲者は、首都カンパラの北部352キロにあるカベデ・オポンの家族8人だった。
エボラ出血熱には、今のところ治療方法がない。感染すると、激しい内臓出血や嘔吐、下痢などの症状を示す。やがて目、鼻、耳などから出血し、皮膚から体液が染み出し、痛みを伴う水泡ができる。4日から14日後には、発症者の80%から90%が死に至る。
エボラ出血熱の流行は、2,3年ごとに発生している。しかし、ウイルスがどのように潜伏しているのか、流行のきっかけとなる最初の犠牲者がどのように感染するのかなど、詳しいことは解明されていない。