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投稿者 ＦＰ親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 10 月 17 日 18:08:58:
日本企業の絡むＭ＆Ａ（合併・買収）が、勢いを増している。国内の企業同士の系列を超えた経営統合や日本企業の海外戦略に伴う外資系企業の買収といった動きに加え、外資系企業による日本企業買いもとどまるところを知らない。最近でも、破たんした千代田生命の受け皿に外資系保険会社が浮上するなど、まさに“何でもあり”の状態となっている。次に狙われるのはあなたの会社かもしれない！？
Ｍ＆Ａ仲介会社「レコフ」のまとめによると、日本企業が関連する今年８月までのＭ＆Ａ件数は、公表ベースで前年同期比５３％増の１０８４件と、すでに昨年１年間の１１６９件に迫る勢いで、２年連続で過去最高を上回るのは確実だ。
このうちＮＴＴコミュニケーションズがインターネット関連の米ベリオ社を買収したケースをはじめとする外国企業に対するＭ＆Ａが急増。「バブル期の見境のない投資とは性格がまったく異なるもので、国際化戦略として行われている」（Ｍ＆Ａ仲介会社幹部）と分析する。
国内企業同士のＭ＆Ａも業績の悪い分野や子会社を整理するリストラ策の一環として増加している。さらに通産省ＯＢによる仕掛けで話題となった敵対的ＴＯＢ（株式公開買い付け）についても「日本人の拒否反応も薄れつつある」（中堅証券会社幹部）と、今後増えていくのは必至だという。
一方、外国企業による国内企業へのＭ＆Ａは、ルノーの日産自動車への資本参加、英通信大手のケーブル＆ワイヤレス社がＮＴＴと競合の末、国際デジタル通信（ＩＤＣ）を買収したり、最近でも米最大の消費者金融会社、アソシエイツ・ファースト・キャピタルが国内準大手のユニマットライフの買収を発表するなど、枚挙にいとまがない。
旧日本長期信用銀行（現・新生銀行）を買収したリップルウッドをはじめ、ＧＥキャピタルやサーベラスなど外国資本による日本企業買収ファンド設定も相次いでいる中、「外国企業の日本企業買いはますます増える」と語るのが、Ｍ＆Ａや企業のコンサルタントを手掛ける森山事務所社長の森山弘和氏だ。
森山氏の説明によると、企業買収には株式の過半数を握るために時価総額の５０％が必要となるが、その資金を買収先の企業が保有する金融資産などで穴埋めして、さらにお釣りがくるという会社、いわば“持参金付き”の会社がゴロゴロしているというのだ。
その背景として森山氏は、企業と銀行、新会計基準の導入による企業間の株式持ち合い解消や、企業の実績を反映しない“株安企業”があると指摘して、こう断言する。
「株式に流動性があることを前提にすれば上限規制のある通信や石油を除けば、国内のどの企業が買収されてもおかしくない。ソニーが買収される可能性だってあるんですよ」
欧米企業が日本買いする狙いは何か。
「欧米では中長期的に今後の成長市場はアジアという見方が主流ですが、アジアに進出するうえで、技術が超一流なのに現在“バナナのたたき売り”状態の日本の企業は絶好の標的なのです。日本の人が弱気になればなるほど外国人にとってはおいしい買い物ができるというわけです。これに対して日本は、市場のルールがアメリカンスタンダードに変わったというのに、古い体質のままで、機関投資家などアマチュアが市場を形成している状態。米の５１番目の州にでもならない限り変わらないでしょう」とまで断言するのだ。
この分では、あなたが勤める会社があす買収されてもおかしくないというわけだが、防衛策があるのか。
「企業としては株価を高くする戦略が必要になってきますが、そこで重要になってくるのは目先の利益追求だけでなく、ブランドの価値です。ソニー、日立、資生堂、花王などはすでにその戦略を進めていますが、雪印、ブリヂストンなどはまったく逆の例だったといえるでしょう」（森山氏）
森山氏は、「そのためには経営陣だけでなく、従業員一人ひとりがブランドの価値を高める意識を持つ必要があります。たとえば飲み屋の席で自分の会社や上司の悪口を言うこともブランドイメージのダウンにつながりますよ」
さらに「Ｍ＆Ａ時代のサラリーマンの生き残り策も同じ。会社を離れたとき自分自身のブランド価値をどれだけ高めることができるかが重要です」と耳の痛い忠告をしている。
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