投稿者 私刑っ! 日時 2000 年 10 月 17 日 02:32:34:
■[No.4720] Re[4718][4717][4716]: 武田徹オンラインジャーナリズムby 匿名さん 2000年10月16日 (月) 22時46分05秒【この記事にレス】
> 甘いか?
> ていうか、あなたがその下に記した指摘は、武田氏の文章でもちゃんと指摘されているように思えるけど。
> ただ唯一違うのは武田氏が「落書き」を「逮捕するほどの悪ではない(よってこれを逮捕しないのは警察の破綻ではない)」としている点と、あなたが「落書きを逮捕しないのは警察の職務怠慢である」としている(ように読める)点だ。
> しかし、どうもあなたが武田氏の文章を単純に読み違えているとしか私には思えない。
> そうでなければ、G.A.批判をさらに深めるためにも、武田氏の甘い点を明確に示していただけると嬉しい。
既に明確だったと思いますが、あなたにもわかるように
指摘してみましょう。御自分の読み違い勘違いを確認して
ご希望通りGA批判を深めて下さい。
(あなたが最近GA批判をしているのは見た事ないですが)
武田氏は「落書きを逮捕した」点を批判の中心にすえ、
本文の半分程度をも費やしている。
私が指摘しているのは最近福祉や他の面でもよく問題になる
「公と個」の問題、特に警察という重要な公共の役割が
私物化されている点である。
「落書きを逮捕したのが行き過ぎ」だから問題なのではなく、
住民や国民の合意を得ていない団体が法の執行を
私物化している点が問題なのである。
従って武田氏の批判は根本的ではない部分に重点を
置いているから甘いと言ったのです。
次にあなたが読み違えようとしているように「落書きを
逮捕しないのは警察の職務怠慢である」とは考えていない。
現在の法律には非常に細かな決まりが沢山あり、
一般市民は義務教育の中で普通の生活上守るべき
法律についての教育さえ受けていない。
また、警察も全ての法律を杓子定規に適用して市民を
取り締まっているのでもない。
もし、厳格に法律を適用したら、ほとんどの人が一日に
何回も法律違反をしている可能性さえある。
たとえば喫煙者はしばしばたばこの吸い殻を投げ
捨てているが、厳密に言えばこれも法律違反であろうし、
数々の風俗産業も売春規定に違反している。
つまり、警察行政は法律に反する行為に見て見ぬふりを
することで法の不備を補い、柔軟かつ円滑な市民生活や
経済活動を保証する役目を担っていると言える。
落書きなど通常知っていながら警察が取り締まらない
行為は、行政がそれを容認していると見なすべきである。
もちろん、地域住民などの苦情があれば警察行政は
「何を、どの程度取り締まるか?」というさじ加減を調節し、
該当する行為や人物に警告を発したり、それでも続く場合は
逮捕するのが一般的なのである。
日本は建て前上は法治国家ではあるが、実際には市民や
業界の圧力で法の適用の厳格さが適宜変わるので
慣習統治国家であると言った方が良いのかもしれない。
(この統治形態は、細かな状況の変化に対し一々法律を
変更しなくても良い点が優れていると言えるが、法の適用の
基準が不明瞭であり、警察が恣意的に基準を変更する事で
ひいきやいじめをしたり、業界や政治家と癒着して腐敗する
問題点があるのは明らかである。)
従って「落書きを取り締まらない」のは、それが慣習的に
容認されており、十分な市民の要望もないという事を示していて、
厳格に言えば違法かもしれないが実質的には合法として
扱われているのであり警察の怠慢とは限らない。
現在の日本では、「警察が取り締まるかどうか?」が
「慣習的に容認されているかどうか?」の基準になっている。
GAは、そこに自分勝手な基準を持ち込み、法律の恣意的な
適用を行なう危険な団体なのである。
警察ならば職員は公務員として試験や訓練を受け、今は
揺らいでいるとは言え国民の信頼のもとに職務を遂行する。
しかし私刑団はどこの誰とも分からぬ集団が、国民の意思
とは無関係に現在の法律と慣習の差を悪用している。
問題は「落書きの取り締まり」ではなくて「私刑団の存在」
なのである。
そして、行政や警察が「私刑団の存在」を容認するので
あれば、住民の圧力を背景とした慣習的な法の運用の
原則に基づいていながら、住民の合意や慣習に反する
私刑団を認めているのであるから矛盾しているのである。
現行システムでは行政や警察に圧力を加える事が
法の適用基準を変える方法なのであるから、GAのような
危険な私刑団の取り締まりや規制も同じ手段を使えばよい。
GAが主に活動しているのは都内のようだから、石原都知事に
陳情して彼にでも分かるように説明すれば多少変化が
現れる可能性もある。
現行システムを続けるのか?それとも私刑団を容認して
警察に与える金を減らすのか?という点などを問いただす
べきであろう。
国会や都議会、区議会でも取り上げられて然るべき
問題なのではないだろうか?
このような私刑団の出現に市民があまり反感を表明しない
背景には度重なる警察の不祥事と天下りや腐敗汚職、
癒着がある事も確かであるから、警察が解体されて民営化
される前兆と捉えた方が良いのかもしれない。
一市民としては、公共機関である警察に法の運用を任せるか?
あるいは私刑団の好き勝手にさせても良いのか?という点を
少しばかり考えて見れば良いのだろう。
また、私刑団は誰でも勝手にでっち上げる事が出来る。
このままだと嫌煙私刑団、セクハラ私刑団、ヤクザ私刑団、
カルト私刑団が次々と生まれてそれぞれの思惑で
市民生活に介入しようとする可能性がある。
我々はオウム的救済を目指す私刑団を望んでいるのだろうか?
GAのような私刑団は小さな親切を装う
危険で大きなお節介でしかない。