投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 10 月 15 日 08:59:05:
防衛庁は十四日、自衛隊の災害派遣部隊の宿泊や駐車場に使用する集結地を確保するため、防災計画を策定する都道府県との事前調整を強化する方針を固めた。
集結地をあらかじめ確保できれば、大規模災害に対し、一層迅速な活動ができ、被害をより少なく食い止めることができる。また、外国部隊が日本に進攻したときに首相が命令する防衛出動の際の自衛隊の活動を円滑化するための有事法制の論議にも一石を投じることになりそうだ。
自衛隊員七千百人が参加して九月に行われた東京都の総合防災訓練「ビッグレスキュー東京2000」では、部隊が展開する空き地が住民の避難場所と重なる場合があり、実際の災害の際に、混乱する可能性があることがわかった。
このため、防衛庁では「自衛隊の十分な集結地があらかじめ決まっている防災計画は全国でも少ない」(幹部)として、都道府県との事前調整を本格化させ、自衛隊の集結地の確保を目指すことにした。
防衛庁は自衛隊の集結地として、被災地に近い公園、グラウンドが適切な場所と位置づけ、一個連隊(約千人)で約一万五千平方メートル以上、一個師団(約七千人)で約十四万平方メートル以上必要と推定している。
ただ、防衛庁・自衛隊と都道府県の間で事前調整を進めても大都市部では広い空き地が少なく、家屋が倒壊した場所での自衛隊の展開方法や住民の権利の制限について検討する必要もあり、「どこまで事前に詰め切れるかわからない」(自衛隊幹部)という。
すでに防衛庁は平成七年の阪神・淡路大震災の教訓から、都道府県知事の災害派遣要請の手順を簡素化したほか、地方公共団体の防災訓練に自衛隊が積極的に参加するなど、自治体との関係を改善し、災害対策基本法改正では土地・建物の一時使用も可能にした。
しかし、「都道府県によっては、防災マニュアルに災害派遣要請の窓口になる自衛隊の連絡先も書かれていない場合もあり、十分ではない」(防衛庁幹部)とされ、地方公共団体との一層の関係強化を目指す方針だ。
当面は近く防衛庁がまとめる災害マニュアルを都道府県に提示し、都道府県の防災担当者との意思疎通の拡大に全力をあげる。