投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 9 月 14 日 13:21:22:
黒海の海底で発見された木で造られた道具
2000.09.14 Web posted at: 7:12 AM JST (2212 GMT) ワシントン(AP)
黒海の海底で、約7000年前の人間の生活をしのばせる住居跡や石器類が12日、探検家グループによって発見された。黒海がかつては小さな湖を持つ陸地で、聖書に記されている「ノアの大洪水」によって海底に沈んでしまったことを証明する初の証拠になるのではとの期待も高まっている。
住居跡が発見されたのは、トルコの黒海沖約19キロ、水深約91メートル付近で、谷があったとされる付近に、崩壊した建物のようなものと、石器や木で作られた道具が発見された。建物は「明らかに人の手によって作られた」もので、約7000年前にトルコ内陸部で作られていた石器時代のスタイルに準じたものだという。
「海底で発見された遺物は、非常によく保存されている。貴重な発見だ。すべての遺物を復元し、木に含まれる炭素から年代をさかのぼって、この場所に、いつ、どのような人々が住んで、どのような道具を使い生活していたのかを突き止めたい」と調査の指揮を取るロバート・バラード博士は黒海の船中から電話で語った。博士は、タイタニック号やドイツ・ナチス時代の戦艦ビスマルク号の残がいなどを発見したことで有名な探検家だ。
同じく探検グループに加わっている考古学者を指揮する、米ペンシルベニア大学のフレドリック・ハイバート氏は、今回の発見が「洪水前に、黒海が現在位置する場所に人間が住んでいたことを証明する初めての証拠になる」とし、「ヨーロッパ、アジア、そして古代中東に囲まれた重要な地域の歴史を塗りかえるような大発見になるだろう」とも説明している。
◎ノアの大洪水によって生まれた黒海?
発見された石器の一部
古代中東文化には、聖書のノアの箱舟の話に代表されるように、大洪水にまつわる伝説が数多く存在する。
米コロンビア大学の研究者、ウィリアム・ライアン氏とウォルター・ピットマン氏は、1997年に出版された著書「ノアの大洪水」の中で、約7000年以上前にヨーロッパ地方の氷河が溶け始めて、地中海がはんらんし、当時は真水の小さな湖だった黒海に流れ込んだという学説を紹介している。
また、バラード氏は昨年、黒海の海岸から数キロ離れた場所で、古代の海岸線を発見し、2種類の貝も発見した。1種類は、すでに絶滅した真水に生息する貝類で、7000年からそれ以上、昔のものとみられ、もう1種類は海水に生息する貝類で、約6500年前にさかのぼるという。
「これからも分かるように、約7000年前に真水の湖から塩水の黒海に姿を変える、何らかの急激な変化が起こっているのです。大洪水の結果、現在のように大部分の陸地が海底に沈んでしまったのです。今分かっていることは、この土地に人間が住んでいたということですが、どのような人々が住んでいたのかは不明です。それを突き止めるためにも、さらに調査・研究が必要です」とバラード氏は述べている。