イスラエル「最後通告」、和平戦略で双方の目算狂う(讀賣新聞)

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投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 10 月 09 日 12:34:00:

回答先: レバノン国境付近で武力衝突激化の恐れ[ベイルート8日ロイター] 投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 10 月 08 日 22:44:05:

2000 年 10 月 9 日
ユダヤ、イスラム両教徒が主権を主張するエルサレム旧市街地に端を発したイスラエル治安部隊とパレスチナ人の武力衝突は七日、バラク・イスラエル首相が、アラファト・パレスチナ自治政府議長に「最後通告」を突き付ける事態に発展、パレスチナ情勢は緊迫の度を強めている。一九九一年のマドリード会議以来、周辺アラブ諸国を巻き込みながら進展してきた中東和平プロセスは瓦解(がかい)の危機を迎えた。

◆「アラファト議長が抑止」過信、過剰武力が憎悪招く◆

【エルサレム8日=当間敏雄】
パレスチナ情勢がここまで悪化した背景には、パレスチナ民衆の怒りが暴発した騒乱を、アラファト・パレスチナ自治政府議長の指導力で止められると見たバラク首相の決定的な読み違いと「過剰な武力行使」という戦略的な誤りがある。
バラク首相は七日夜の記者会見で「騒乱の激化の責任は停止命令を出すことができるアラファト(議長)の責任だ」と、有効な停止措置をとらない議長を激しく批判しながらも、その指導力に期待をかけた。だが十日以上に及ぶ騒乱の展開を追うと、パレスチナの民衆の怒りが制御不能な段階にまで達していることが浮き彫りとなる。
現場の司令官レベルで合意に達した「停戦」はこれまで少なくとも四回に及んだが、いずれも半日ともたず、パレスチナ側からの投石、発砲によって衝突の再燃が繰り返された。
イスラム教徒の金曜礼拝で緊張の高まった六日にはイスラエルとパレスチナ側が自制することで合意したが、パレスチナ側は聖地「神殿の丘」(イスラム呼称=ハラム・アッシャリフ)からユダヤ教聖地「嘆きの壁」に投石するイスラム教徒を制止できず、聖都エルサレムは市街戦さながらの衝突の舞台となった。
イスラエルを「最後通告」に追い込む決定的な事件となったのがユダヤ教聖地「ヨセフの墓」の炎上だ。ヨルダン川西岸ナブルスの自治都市の市街地にある聖地は七日、「自治政府が聖地を保護する」との約束を信じ、バラク首相が軍を撤退させた直後に襲われた。
今回の騒乱は一九八七年から九三年まで続いた若者の投石が主体のインティファーダ(反イスラエル闘争)と異なり、一部でパレスチナ自治政府の武装警官やパレスチナ解放機構(PLO)の民兵組織メンバーらが“参戦”、イスラエル軍に挑戦している。
パレスチナ騒乱は死者八十人以上、負傷者二千人に及んでレバノン国境に飛び火、パレスチナ指導部の思惑を超えて暴走している。

◆パレスチナ、軍事対決の覚悟も◆

【カイロ8日=平野真一】バラク・イスラエル首相が「衝突終結か全面対決か」の最後通告を突きつけたことで、パレスチナ自治政府をはじめアラブ側はぎりぎりの選択を迫られている。脅しに屈して停戦に応じれば、アラファト議長は「裏切り者」として政治生命を絶たれかねず、アラブ諸国指導者も大衆から「無力」との攻撃を一身に受ける。かと言って突っぱねれば、過去二十年近く想定していなかったイスラエルとの全面軍事対決すら覚悟しなければならない。
アラファト議長は衝突ぼっ発以来、「イスラエル軍が罪のないパレスチナ人を虐殺している」と繰り返し、原因を究明する国際調査委員会の設置と、人口密集地からのイスラエル軍撤収を事態収拾の最低条件として要求してきた。
そのいずれもが受け入れられないまま停戦に応じることは、犠牲となった民衆を「無駄死に」させることであり、世論を敵に回すことにほかならない。民衆の怒りは既に自治政府の抑制できる範囲を超えつつある。
事情は、イラクなど一部強硬派を除けば、他のアラブ諸国も同じだ。イスラエルと既に和平を結んでいるエジプト、ヨルダンはもとより、和平プロセスの当事者であるシリア、レバノンもイスラエルとの軍事衝突は望んでいない。
だが、いずれの国でも先週以来、反イスラエル・デモが吹き荒れ、政府への和平プロセス破棄要求も急速に高まっている。来週末に見込まれる緊急アラブ首脳会議では、イスラエルとの対話中止―断交―経済ボイコット再発動―果ては戦争という最悪のシナリオさえ検討せざるを得なくなる。
自治政府は八日、イスラエルと治安当局者同士の秘密接触を始めた。また、レバノンのイスラム原理主義組織ヒズボラによる兵士誘拐の糸を引いたとイスラエルに名指しされたシリアのアサド大統領も七日、ムバラク・エジプト大統領と電話会談するなど、水面下で活発に事態収拾策を探っている。だが、アラブ側のメンツが立つ収拾策は今のところなく、がけっぷちに追い込まれている。



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